遊び心に気づいた瞬間が嬉しすぎて、何度でも見返したくなる。アニメ「ドラゴンボール改」で、魔人ブウが気まぐれに降り立った都市でスイーツショップに立ち寄ったシーン。この店で働いていた店員さんが、どう見てもゲーム「ドラゴンクエストⅤ」のビアンカだったのだ。
【映像】ドラクエVのビアンカ?が登場した瞬間(13分29秒ごろ~)
魔人ブウが自動ドアを突き破って店内に入ってくるのを引き気味で見ていた2人の女性店員。そのうちの1人、金髪の店員は魔人ブウのありえない入店方法に固まってしまい、驚きのあまり配膳中だったケーキを手から落としてしまった。
スーパーファミコンソフト「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」をプレイしたことがある視聴者なら、このシーンの登場人物に見覚えがあるはずだ。金髪でサイドテール、さらに三つ編みという特徴的な髪型……そう、この女性店員は大人になったビアンカにそっくりだったのだ。初めての結婚が「ドラクエV」だったというファンも少なくないだろう。
食い逃げするように店を出た魔人ブウを追おうとした魔導士バビディ(CV:島田敏)は、黒髪の女性店員に捕まると、飲食代や店舗の修理費を請求されていた。バビディはこの黒髪店員を魔術で別の場所に転移させると、ビアンカ似の金髪店員は「消えちゃった!?」と驚きの声をあげた。これを聞いて“ビアンカってこんな声なのかな”と妄想した視聴者も少なくなかったのではないだろうか。
鳥山明氏は「ドラゴンボール」の作者として有名だが、「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラクターデザインを手がけてきたことでも知られている。それもあって、「ドラゴンボール」には原作やアニメ内の様々な場面で、ドラクエに登場した人物やモンスターらしきキャラクターがモブキャラとして登場する“遊び心”が見られるのだ。天下一武道会の会場の壁の装飾が「ドラクエⅣ」のラスボス・デスピサロそっくりだったり、予選ではアークデーモンやオークらしきモンスターの姿もあった。
さらに、「ドラゴンボールZ」のアニオリ回で開催された「あの世一武道会」では、「ドラクエV」の主人公の父・パパスにしか見えない人物が観戦していたり、映画「ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる」には「ドラクエⅣ」のトルネコそっくりの人物が逃げ惑う姿が描かれていた。
悟空たちの活躍だけでなく、画面の隅々までモブキャラを注意深く観察してみると、まだ誰も気づいていない意外なドラクエ風キャラを発見することができるかも!?
アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編~人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月にかけて放送され、魔人ブウ編の第2期が2014年4月から2015年6月に放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。
40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月より放送中。
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