【WRC】第13戦 ラリージャパン(11月23日/デイ3)
ラリー界の世界最高峰・WRC(世界ラリー選手権)で、日本人ドライバーがマンガを彷彿させる驚愕の走りでトップタイムを叩き出した。
競技3日目のSS13は山岳のワインディングがメインとなるステージ「笠置山」だ。トップカテゴリーであるWRC1のマシンが走り終えると、次にWRC2のマシンが順に走り始める。トップクラスに注目されるクルマがいるなか、31歳の全日本王者・新井大輝はその速さで注目を集めた。
それまでWRC2トップだったグリアジンのタイムを3.9秒縮める、12分12秒8を叩き出し、最終的にSS13全体で10位、WRC2クラス最速タイムを叩き出した新井。しかも、解説でコ・ドライバーの小坂典嵩が言及したように、新井のマシンは15年落ちのシュコダで、チームも自らが立ち上げたプライベートチーム。チーム運営など多忙を極めたなかでの出場であるというから驚きだ。
今シーズンの全日本ラリー王者であることに加え、ラリーファンなら知らない人はいないであろうレジェンドドライバー新井敏弘の息子で、いわばラリーストのサラブレッド。実は昨年もプジョー208でラリージャパンに参戦し、2WDながら総合トップ10に入っている。
放送席でもその走りに注目しており、フィニッシュ後、解説者が「下り勝負だったのかもしれません」と言うと、実況も「まるで藤原拓海ですね」と、マンガ『頭文字D』でダウンヒルの名手だった主人公の藤原拓海の名前を出しておどけた。なお、本人は「安全性を重視しながら走った」と余裕の発言をしている。新井はSS15終了時点でWRC2クラス3位と表彰台圏内につけている。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)