相田さんは北海道生まれで、札幌・すすきののショーパブでダンサーをしていた20代の頃、ストリップの世界に引き込まれた。職場近くの劇場で見た、踊り子たちに心ひかれて、ストリッパーに転身した。「デビュー時は厳しかった。バレエやジャズダンス、ベリーダンス、フラメンコ、日舞と、あらゆる踊りを自主的に習った。レッスン費はトータル1000万円くらい使ったかもしれない」と語る。
費用を工面するために、「家賃を払えずバイトしている子もいっぱいいる」という。「お姉さんたちがご飯を作って持ってきてくれたり、先輩たちに助けてもらった」と感謝する。いまでは相田さんの背中を追って、業界に飛び込んでくる若い世代もいる。
「20歳くらいの子が増えてきた。私のステージを見て泣いて、『会社を辞めて人生のすべてをこの道にかける』と言ってくれた。『最後まで見届けたいと思っている』と言ってくれたのはうれしい」
国内のストリップ劇場は、最盛期の300店以上から、現在は16店にまで激減した。風営法によると、ストリップ劇場は「性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行」(第2条第6項第3号)と定められている。しかし一方で、今回のように違法で過激なパフォーマンスで客をつなぎ止める劇場もある。
相田さんは「表現の場を壊さないでほしい」との願いから、「いかに美しく、感動的に表現されていても、公然わいせつに問われてしまう。法律に触れないためには、パンティーを脱がず、トップレスまで。私たちは好きで、誇りを持って、この仕事をしている。好きな世界をそっとしておいてもらいたい」と訴える。
「体が動く限り、劇場がある限り、1日でも長く踊らせていただけたらと思う。いずれ滅びてしまうと思うが、この業界はビデオに残せず、テレビや映画にも出せない世界だ。いずれなくなってしまうからこそ、今できるだけ足を運んで、目で見て楽しんでいただきたい」
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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