ドイツの地で進化を続けるボルシアMGの日本代表DF板倉滉が、“衝撃のハイキック”を振り返った。Jリーグ時代には考えられないような守り方こそ進化の証だと考えているようだ。
10月30日、ブンデスリーガ第12節で実現する日本人対決を前に、フライブルクの堂安律とボルシアMGの板倉滉を特集。その中で、解説の鄭大世氏が板倉の元を訪れて対談を行った。
ドイツに渡って4シーズン目を迎えた板倉は、ボルシアMGのディフェンスリーダーとして開幕から全試合フル出場するなど存在感を放っている。チームも昨季は降格争いに巻き込まれていたが、今季は5勝2分4敗の6位と好位置。板倉自身も「去年は結果が出ていなくて、チーム全体のメンタル的に難しさがあった。これが残留争いしているチームかと。今年は勝ったりとか、難しい試合を引き分けられて、去年よりも自信を持ってプレーできている」とチームとしての手応えを感じているようだ。
今季の板倉は“個人の戦い”を意識している。「デュエルは意識している。自分のところで潰し切る、マークついている相手にやらせないところは意識している」と、これまで以上に対人の戦いにフォーカスしているようだ。
そんな板倉のプレーについて鄭大世氏が気になったシーンがあるという。それは、ブンデスリーガ第2節のボーフム戦。GKパトリック・ドレベスのロングフィードをFWモリッツ・ブロシンスキが胸トラップでコントロールしようとしたシーンだった。マークについていた板倉は、ブロシンスキに密着マークしながら、胸の高さまで足を上げて先にボールを触ってカットした。
あわや顔面キックになりかねないシーンについて鄭大世氏は「これが印象的だった。Jリーグ時代にこのプレーしてました?」と質問。「行ってないと思います」という板倉に「やりにくい空気感ありますよね。こういうプレーをするようになったんだと感動したプレーでした」と語った。
当時のシーンについて鄭大世氏をFWに見立てて解説した板倉は「(ボールが)上がった時にボールを見て、最初からヘディングに競らずに体を当ててくる。ずるずる行くとコントロールされて、体も大きいのでそこから出られない。なので真ん中で選手を受けて、掴んでおいて足をだす」とコメント。鄭大世氏も「それはFWとしては嫌だな。ボールは胸で止めたい。でもその高さに足を出される。FWとしては最悪」とストライカーならではの見解を語った。
昨季までの板倉は全34節で139回デュエルを制していたが、球際にこだわる今季は11節終了時点ですでに80回を制するなど、成長の証が数字に表れている。(ABEMA/サッカー)