【明治安田J1リーグ】ジュビロ磐田 2-1 FC東京(11月30日/ヤマハスタジアム)
ジュビロ磐田が、J1残留に望みを繋いだ。11月30日、Jリーグ第37節でホーム・ヤマハスタジアムにFC東京を迎えた一戦は2-1で逆転勝利。他会場で行われた試合で、柏レイソルは引き分け、アルビレックス新潟は敗戦となり、J2自動降格圏の18位以下は確定せず。J1残留争いは最終節へ持ち越しとなった。
試合序盤は、攻めるFC東京と守る磐田の構図となった。
磐田は、前半を終えてボール支配率53%、パス本数も197本で相手をわずかに上回ったものの、シュート4本で枠内は0本。ただし、FC東京に7本、枠内に5本のシュートを打たれながらも、ゴール前での体を張った守備も光り、無失点に抑えて試合を折り返した。
しかし53分、ついに牙城を崩されてしまう。FC東京の左CKのデザインされたセットプレーから最後は安斎颯馬にヘディングで決められ先制を許した。あとがなくなった磐田は56分にFWマテウス・ペイショット、MF上原力也、MF山田大記、63分にMF藤川虎太朗を投入して打開を図る。
すると76分にチャンスが訪れる。ゴール前に抜け出した藤川が相手DFの木本恭生に倒されると、これが決定機阻止で一発退場に。ここで得たFKを上原力也が右足で中央に送り、マテウス・ペイショットが完璧なヘディングで合わせて同点に追いつくことに成功した。
磐田はさらに猛攻を重ね、89分にはPKを獲得。ここで登場したのが山田だ。背番号10はこのプレッシャーのかかる場面で、右利きながらも“左足”で右隅へと蹴り込んでついに逆転に成功した。磐田はそのまま逃げ切りに成功し、崖っぷちで逆転勝利を収め、他会場の結果を受けてJ1残留へ望みを繋いだ。
今季は、チームを2年ぶりにJ1昇格へ導いた横内昭展監督が続投。遠藤保仁や大津祐樹、八田直樹が現役引退し、その他、多くの選手が移籍したことで半数近くのメンバーが入れ替わった。当初から「J1残留」を最低限の目標に据えつつ「優勝」を掲げたものの、開幕5試合で1勝4敗と厳しいスタートに。
第6節、第7節にJ1では5年ぶりに連勝を飾るなど気を吐いたものの、その後は連勝はなく下位に低迷。第30節の柏戦(2-0)、第31戦の福岡戦(0-0)は、今季14年ぶりにJ1を戦った41歳の守護神・川島永嗣が2試合連続クリーンシートで終えるなど勝ち点4を重ねたが、続く2試合は連敗。
その後は、第34節のC大阪戦で勝利して以降、3連敗を喫したことで今節を前にして18位以下がJ2自動降格となる“逆王手”の状況を招いていた。
チームは、国内では磐田一筋を貫いてきた35歳のキャプテン・山田大記が今季限りでの現役引退を発表。リーグ戦通算302試合に出場したバンディエラは、3度のJ2降格を経験するなどクラブの苦境の中でも戦い続け、チームの顔役としてけん引してきた。その男が“ラストホームゲーム”で魅せた。
2013シーズンに初めてJ2降格を味わうと、2016シーズンに3年ぶりにJ1に復帰。しかし、2019シーズンに再び降格、2022シーズンに昇格するも、1年で降格、2023シーズンにJ2で2位となり、3度の降格を乗り越えてJ1を戦ってきた。今節の結果を受け、運命の結末は最終節へ。
サックスブルーはJ1残留を果たせるのか、それともクラブ創設以来、史上4度目のJ2降格となってしまうのか。泣いても笑っても、リーグ戦のラスト1試合で全てが決まる。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)