将棋の第2回達人戦立川立飛杯準々決勝が12月3日、東京都立川市の「立川ステージガーデン」で行われ、行方尚史九段(50)が前年覇者の羽生善治九段(54)に118手で勝利した。行方九段は、あす4日に行われる準決勝で佐藤康光九段(55)―木村一基九段(51)戦の勝者と対戦する。
初出場の行方九段が、初代達人から白星を奪った。注目の本戦開幕戦は、先手の羽生九段が矢倉を志向。行方九段は左美濃急戦に組んで対抗した。「50歳以上の棋士」が参加条件とあり、タイトル挑戦経験のある行方九段をもってしても、本棋戦では“新人”。予選からの勢いそのままにレジェンド棋士へと向かっていった。
互いに積極的に敵陣へと繰り出し、長く難解な中盤戦へ。先にペースを握ったのは行方九段だったが、羽生九段も負けじと流れを引き戻すなど、攻防戦が繰り広げられた。戦場を変えながらの主導権争いとなったが、抜け出したのは行方九段。羽生九段の渾身の勝負手をかいくぐり、行方九段が勝利を飾った。
この結果、行方九段の準々決勝進出が決定。次戦では佐藤康光九段―木村一基九段戦の勝者と対戦する。行方九段は「自分としては150手くらいの体感。激しくなったと思ったら駒組みに戻ったり、消耗する将棋だった。早めに追い込まれないようにと気を付けていたが、激しいねじり合いになった。自分としてはうまく指せたと思う」と語り、喜びの表情を見せた。
達人戦は、2024年4月1日付で満50歳以上の現役棋士に参加資格が与えられている。第2回大会は53人とシード棋士4人の合計57人が出場。「達人」の称号を目指し、熱い戦いが繰り広げられている。本戦の持ち時間は各30分、切れたら一手30秒未満。先手・後手は振り駒で決定する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)