テレビ朝日「バラバラマンスリー」の水曜枠『3分間で泣ける話』が4日深夜に放送され、園芸係を介して出会った男女2人のエピソードが紹介された。
実話に基づく3分間の感動エピソードを豪華声優陣が朗読する同番組。MCは藤井隆、語り手は浪川大輔、内田真礼が務め、“涙もろいゲスト”として注目の若手女優・富田望生が登場した。
■『園芸係』(語り手:内田真礼、浪川大輔)
私は花なんて好きじゃない。美化委員に立候補して花壇の世話係になったのは、内申点稼ぎのためだ。早く推薦をもらって大学受験なんて終わらせたい。
朝早く学校に来て、花壇の水やりにかかろうとしたら先客がいた。
「もしかして美化委員変わった? こないだまでの人は全然来なかったんだけど」
彼の名前はキクチミズキ。留年した3年生で、保健室登校。いじめがあったわけでもなく、なんとなく教室に行きたくないらしい。私とミズキくんは毎朝会って、たわいもないことを話しながら水やりをした。
花に詳しいミズキくんに色々教えてもらったり、私は親からのプレッシャーがしんどいと話したり。何でも聞いてくれるミズキくんとのやり取りは、落ち着いて気楽だった。
私は狙いどおり推薦で大学に受かった。ミズキくんはお祝いに押し花をくれた。「ミズキくんは大学興味ないの? 花の研究とか好きでしょ?」。何も答えなかった。
そして、ミズキくんは次の日から花壇に来なくなった。余計なことを言った後悔と同時に、とてつもない寂しさが襲う。私はミズキくんのことが好きだったと、その時初めて気づいた。