また事故死の可能性についても語る。「2階のゴミ箱にどういうものがあったかは捜索でわかっているが、1階や家政婦が捨てたゴミ袋の中身には、捜査が及んでいなかった。被害者が自分で(覚醒剤を)飲んで、ゴミ箱に始末して、容態が悪化した可能性は残る」。現状の証拠では「疑わしいが、決定的なものはない。弱いところがあり、有罪にはできない」と解説する。
こうした判断に至った背景として、水野氏は冤罪(えんざい)への懸念を指摘する。「真犯人を野放しにする危険もあるが、犯人でない人を処罰するよりは許せるという思想だ。被害者や遺族には受け入れがたいことだが、自分が身に覚えのない犯人に仕立て上げられて、有罪になってしまうのは怖い」。
裁判官の基準は「ギルティ(有罪)かノットギルティ(無罪)か」にある。裁判において被告の人柄などは関係なく、「『確実な状況証拠がないのか』というところまでしか判断しない」とのことだった。
弁護士の中川みち子氏も、「有罪にするには、証拠に基づいて『この人がやったと間違いない』というところまで立証されないといけない。『疑わしきは被告人の利益に』で、疑わしいだけでは有罪にできない刑事司法の原則を貫いたのではないか」と推測する。「犯罪行為をしたかどうかの認定で、人柄はまた別の話だ」と語った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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