日本最高峰のツーリングカーレース、スーパーGTの最終戦。逆転チャンピオンを決定づけた劇的なオーバーテイクに、直後ガレージの様々なスタッフが熱狂する一幕をカメラが捉えた。
 劇的な瞬間が訪れたのは、鈴鹿サーキット(三重県)で行われたスーパーGT最終戦の終盤。本来、第5戦として開催されるはずが、台風で延期。王者決定の舞台となった決勝が残り10周を迎えた時だった。
 GT300クラスはmuta Racing(#2 GR86 GT)が首位。だが、その背後には2位VENTENY(#88 Lamborghini GT3)が猛烈な勢いで追い上げをかけていた。首位浮上なら状況次第でチャンピオン獲得も視野に入るなか、ランボルギーニを駆る小暮卓史は38周目に5秒以上あった差を40周目時点で1秒9まで迫る猛追を見せた。「勢いはVENTENY、小暮にありますね」と中継で言及があった直後、小暮は51周目の130Rでアウトから抜きにかかる素振りを見せたものの、続くシケインは立ち上がり重視で仕掛けず。そして最終コーナーの立ち上がりで一気に2号車の86の背後に迫った。接触寸前の超接近戦、ホームストレートでイン側を取り、一気に並びかけると1コーナーの飛び込みを制し、トップへ浮上。