次の日、弁当箱の蓋を開けると、海苔の言葉はありませんでした。次の日も、その次の日も。
素直になれない私は、母にごめんの一言を言えないまま練習に励んでいました。
最後の夏の県大会、インターハイ出場がかかる決勝直前。その昼食でした。お弁当箱の蓋を開けると、海苔で「がんばれ」の文字。私は涙をこらえながらお弁当を平らげました。
結果は見事優勝。インターハイ出場を決めることができました。
あの時のこと、時間が経った今なら素直に言葉にできるから言うね。「お母さん、6年間ありがとう」。
■朗読した内田真礼も思わず感動
こうした母親の無償の愛に、富田は「私も母のお弁当大好きで。当たり前にやってくれたと思っていたことは、小さな愛情の積み重ねだったんだな、と思いました」とコメント。
また、終盤で鼻をすすり、声を震わせながら朗読した内田は、「本当に素敵なお話だったので。読んでいて心がすごく入って、一緒に感動してしまいました」と明かした。
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