ネットメディアに先日掲載された「マザコン息子を『全寮制』に送り出すべきか」といった内容が話題だ。シングルマザーのゆうこさん(仮名)には、幼い頃から自他共に認める、ママが大好きな息子がいる。「言葉を話し始めてから小学4年生くらいまで、2言目には『ママ』。マザコンだと“認識している”と自分で言っている」という。
そんな息子をかわいいと思いながら、母としての不安も。彼女は悩んだ末に「私の年金を食いつぶす大人になるのではないか」との心配から、自立を促すために全寮制中学校への進学を息子に勧めた。一方で、多感な時期に親元を離れることには、さまざまな意見もある。『ABEMA Prime』では、ゆうこさんと専門家とともに、「親離れ」について考えた。
■「マザコン息子」全寮制で親離れはアリ?
親離れのための「全寮制」はありか、なしか。Xでは、「子どもたちは早期に独り立ちして強く成長してほしい」「全寮制だと社会性を身につける場でもある」といった賛成の声がある一方で、「全寮制の学校は行かせたくない。成長は隣で見ていたい」「全寮制だと何かと厳しいイメージがある」といった否定的なコメントも見られる。
ゆうこさんの家庭は、息子が幼い頃に離婚し、10年以上2人暮らしをしてきた。息子は小3から中学受験を目指し、塾通いを始めた。そして、母から全寮制の学校を推薦され受験し、合格して今春から通学中(寮生活)だ。なお周囲からも本人自身も「マザコン」だと認識しているという。
そんな息子に対して、ゆうこさんは「四六時中、何をするにも『ママ』から始まる、依存症のような感じだった」と振り返る。「小6になっても、まとわりついてくる。幼稚園ぐらいの時は『ママと結婚したい』と言われてかわいいと感じたが、小6になってもまだ言っていて、ノーサンキューかな…と感じた」と語った。
息子には、最初から全寮制を勧めていたわけではないという。「地元の中学校を見た上で、全寮制で生活する先輩の姿も見ていたので、拒否反応は全くなかった」。これまでも「幼稚園や小学生の頃から、キャンプで2泊3日など親元を離れる体験をしていた。ボーイスカウトにも入っていて、1週間野宿したこともある」といった経験が生かされていたようだ。
実際に全寮制に入ってからの変化として、「先生から『4月に比べると周囲が見られるようになった』と言われ、友達からも『困ったときに寄り添ってくれる』と好かれているようだ」と語る。また、ゆうこさん自身も「家に居ると小言を言いたくなるが、より大きな視点で息子を見られるようになった」そうだ。
女性向けの相談活動を行う、リアライフカウンセラーの藤本シゲユキ氏は、「思春期は一番多感な年頃で、不安や葛藤を感じやすい」と指摘する。「中学の3年間は、すごく長い。全寮制に行かせるのは、個人的にはどうかと思うが、全寮制に進学した以上は、母親のゆうこさんが安全基地の役割を担ってあげた方がいい」との見方を示した。
■そもそも「マザコン」は悪なのか?
保険マンモスの調査「男性に幻滅した 破局・離婚の理由7選」では、「借金・ギャンブルなどの金銭トラブルがあった」「浮気・不倫」「高圧的・怒りやすい性格・モラハラ」に続いて、4位に「マザコン」がランクインした。
また、コズレマガジンによる「マザコン男性の特徴」では、1位が「母親と頻繁に連絡を取っている」で、2位「決定を母親にゆだねる」、3位「母親の言うことを疑わず信じる」、4位「母親に甘える」「すぐに母親に報告する」という結果が出ている。
こうした背景に、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は、「マザコンが正しいか正しくないかではなく、日本で日本人女性と結婚したいなら、やめたほうがいいという話だ」と考える。「アメリカで、アフリカ系アメリカ人やイタリア人なら普通のこと。家族のために時間を使い、毎週のように母親と食事する。単純に文化の問題だ」と述べた。
藤本氏が受ける相談の中には「毎日のように母親から夫に電話がかかる。妻にも電話が来て、家庭に干渉されるが、夫が防いでくれない」といったものがあり、「国によって解釈は異なるが、一緒にいる人に迷惑がかかれば、“マザコン”になるだろう」と考察する。
その一方で、「母親を大事にすることとマザコンは違う」と考える藤本氏は、線引きについて「母親をリスペクトする上では(マザコンと)同じだが、依存をせず自分の人生を歩む人」であり、「必要以上に自分の生活に干渉させない。母親にも干渉しない」場合はマザコンではないと捉える。そして、「母親になにを与えることができるかを考える(マザコンは与えられることの方が多い)」といった点にも言及した。
「世話になった恩師に、恩返しをしたい」との思いに、身内の要素が加わった感情が「親を大事にする」ことにつながる。しかしマザコンは「親の干渉を防げず、一緒にいる人に迷惑をかける」のが相違点だと指摘する。
そうは言っても、母親好きにはメリットもある。ゆうこさんは、「私への気遣いが、友人関係にも生かされていてよかった」と語った。
(『ABEMA Prime』より)
この記事の画像一覧■Pick Up
・キー局全落ち!“下剋上“西澤由夏アナの「意外すぎる人生」
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・「ABEMA NEWSチャンネル」知られざる番組制作の舞台裏