そして、この墓地を案内してくれたのが、冒頭で触れた義足の兵士だった。「1年前、地雷を踏みました。ミャンマー軍が仕掛けた地雷です。地雷を踏んだ時は感覚がなかった。その後病院で足を切断したんだけど、激痛でした」。片足だけでなく、命を奪われていた可能性もある。しかし、壮絶な怪我をするきっかけをつくったミャンマー軍の兵士に「怒りはない」という。「彼らも任務で攻撃をしているわけですし、僕の怪我も任務の中で起きたことなので」と淡々と語った。
そんな彼が義足で戦い続けるのは、なぜなのか。「ミャンマーに憎しみはありませんが、誰であろうと攻めてきた者は全員殺す。これが私の任務だからです。国のためになりたいんだ」。カレン族の小学校を取材した際も、多くの子どもたちが「国のためになりたい」と話していたが、彼もまた深い愛国心に突き動かされ、戦場へ向かい続けていたのだった。
なお、ドームさんによると、ミャンマー軍の軍事費はカレン民族軍の10倍。兵士の数も圧倒的な差があり、カレン民族軍はミャンマー軍の5分の1だという。これらの数字だけを見れば、カレン民族軍が不利な状況に置かれているのは明らかだ。しかし、ドームさんは「カレン軍はミャンマー軍との戦いにたくさん勝っている」と証言し、カレン民族軍が優勢と伝える報道もある。一体、なぜなのか。その理由についてドームさんは「ミャンマー軍は徴兵制で集まった兵。戦いをやらされている。僕たちは志願して、命をかけて国のために戦っている」と誇らしげに話していた。
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