■匿名でも満たされる承認欲求「botが自我を出すなと言われる」
作家でジャーナリストの佐々木俊尚氏は、「匿名のXアカウントでも、フォロワーが何十万いる人も多い。そういう人は、いいねが何万も付くが、それは実生活に何の関係もない。承認欲求を満たしても、生活にメリットがないことを楽しむ人は山ほどいる」と話す。
その上で、運営者のメリットとして、「投稿がバズって満足する」ことを挙げる。また、依頼者側にとっても「自分の書いたものが評価されるのは楽しい」と考察する。「今の時代は匿名性が大事だ。音楽でもAdoさんやyamaさんのように、顔出しせずに日常生活を送りながら、世界中に歌を聴いてほしい人がいる」。
エンジニアで起業家、作家の安野貴博氏は、「キュレーションメディア」との共通点に触れ、「いろんな人のツイートを編集してまとめるTogetterもそうだが、別のメディアの投稿を組み合わせて、並べると色が出る。投稿を厳選して、自分たちの表現にする行為とツイート代行botは近い」と分析する。
今後どのような展開が考えられるか。「いきなり顔出しせずとも、キャラクター付けをして、インフルエンサーになる野望はないか」と問いかけると、さんくしょんさんは「ちょっとあるが、抑えていきたい。よく『botが自我を出すな』と言われる」と返す。
兼近は「楽しくやれるならいい」としながら、「放火犯の代わりにさせられるのは心配だ」と気をもむ。「自分が傷つかなくて済むから、他人を簡単に傷つけられる。代理をさせられると、『火を付けたのは、この人たち』となるから、気をつけてほしい」。
(『ABEMA Prime』より)


