日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」の監督会議が1月11日に放送され、関西B・畠山鎮監督(55)は、自身の弟子である斎藤慎太郎八段(31)をはじめ、大石直嗣七段(35)、宮本広志五段(38)、古森悠太五段(29)を出場登録棋士に入れた。このメンバー、次世代の将棋界を担う若者が集う奨励会の幹事を務めた者が複数いる。畠山八段からすれば「フィッシャーという意味ではちょっとメンバー的にはまだまだなところはありますが、若手たちの手本になって大きく飛躍してほしい」と期待をかけた。
単なる勝ち負けだけではなく、何かを伝えようという言葉が常に出てくる畠山八段らしく、今回のメンバーは戦う姿を「後進に伝える」というテーマがあった。「小森五段は昨年かなり活躍したこともありまして、最初に決めました。次が宮本五段。現在、関西の奨励会幹事をして、奨励会員の手本になる、未来を担う存在です。大石七段も研修会で長く子どもたちの面倒を見てきた。改めて昨年に続いて、手本になってもらえれば」と説明。弟子の斎藤八段については「今回、監督も指すということで、監督の将棋に遠慮なくダメ出しできるのが弟子しかいないから(笑)」とユーモアも込めた。
東京とともに、関西にも新たな将棋会館が生まれ、日本将棋連盟100周年をさらに盛り上げていこうという使命感が、畠山八段には強くある。「(前回大会で)負けた後に、なんか言っちゃいけないのかなと、ひっそりとすごく気を遣われてしまったので、やっぱり勝たなきゃいけないと思いました」と、勝つことの意味合いの大きさは肌を持って感じたところでもある。大会では毎試合、パブリックビューイングも行われ、一緒に盛り上がるよさもある。日頃、奨励会や研修会で厳しく指導する側の威厳も、対局で勝ってこそ。負けられない戦いだ。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




