東京海上日動火災=初任給最大約41万円、ユニクロ=33万円、三井住友銀行=30万円…初任給30万円超えの会社が続出している。
この報道に対し、新卒で日本銀行に入社したみずほリサーチ&テクノロジーズ主席エコノミスト 河田皓史氏は「やっぱり単純にぶったまげる。『初任給30万円ってマジ?』というのが率直な感想だ。私は2010年に大学を卒業したが、初任給は17万4000円だったのに…。しかも、上げ幅が急だ。25万円から30万円となると20%も上がっている」と驚きを見せた。
とはいえ、賃上げの流れについては「基本的に良いこと」と話す。
「これまで日本では物価も賃金も上がらない状況が続いており、異常だった。物価が上がって賃金が上がる、賃金が上がって物価が上がるというサイクルが回っていくことが日本経済の成長に向けては良いことだ」
とはいえ、初任給の大幅なアップを行っているのは大企業がほとんどだ。
この点については「中小企業は大企業に比べると収益環境で厳しい部分もある。今後は日本の雇用の7割を生み出している中小企業がどれだけついていけるかがポイントであり、春闘にも注目すべきだ」と指摘した。
では、今の会社で給与アップが難しい人はどうすべきなのか?
「日本では終身雇用が薄れて転職が活発になってきている。今の給料に不満がある人はより高い金額をオファーしてくれる会社に移っていくことになるだろう。そうなると“淘汰”、美しい言葉で言えば“新陳代謝”が進むことになる。賃上げ・値上げの流れについていけず倒産してしまう会社や、倒産に至らないまでも自ら廃業してしまう会社も増えている」
政府からの“救済”については「コロナ禍におけるゼロゼロ融資もなくなり、『どんな企業も潰さず全部助ける』というスタンスはなくなっている。とはいえ政府としては、失業者が増えることはあまり許容しないだろう。日本全体で人手不足になってるため、仮に一旦仕事を失ったとしても何かしら仕事を見つけることも以前と比べれば楽になっているところもあるはず。転職活動の支援を政府が行うのも一案だ」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)


