隠れた努力の結晶だ。ロコ・ソラーレのリード・吉田夕梨花が渾身の40m&20秒&約60回フルスイープで、ベストショットへ導いた。これを見た元チームメートで解説を務めた石崎琴美さんは感嘆しつつ、選手目線での“スイーパーのせつないところ”を吐露した。
【映像】吉田夕梨花、渾身40m&20秒&約60回フルスイープ
カーリングの国際大会「グランドスラム オブ カーリング」のマスターズに出場中のロコ・ソラーレ(Fujisawa)は日本時間17日、予選ラウンドの3試合目にスウェーデンのヴラノー(Wrana)と対戦した。
注目のシーンは、第6エンド、サード・吉田知那美の投球でのことだ。吉田は、手前にストーンを置き、ハウス内の自分たちの石(黄色)をブロックする狙いを定めた。吉田がリリースした石は弧を描くようにハウス手前中心に向かっていく中で、誰よりも献身性を見せたのがスイーパーの吉田夕梨花だ。ストーンの右側から氷を磨きに磨き、進路を的確に調整する。吉田知那美の「もうちょい!もうちょい!」の声が響く中、吉田夕梨花は実に20秒弱、55回以上のスイープで石を狙い通りの位置に完璧に届けてみせたのだ。
吉田夕の獅子奮迅の働きに対して、スキップ・藤澤五月も「ナイス!」と称え、解説の石崎さんも「ナイススイープ!」と称賛した。
直後、中継音声に吉田夕梨花の"息切れ"が入ると、実況・小出アキラアナウンサーは「息も上がるくらい、相当なスイープ力と運動量です」と伝え、石崎さんがその"真相"を説明した。
「カールサイドからずっと入っているので、カールサイドの吉田夕梨花選手しか(スイープに)入っていなかったんですよね。20秒くらいフルスイープしていたんじゃないですか」
それを受けて小出氏が思わず「"レレレのおじさん"のような態勢でそれをやるわけですもんね」と感嘆。すると石崎さんは笑い声を上げるとともに、選手目線でこの好プレーの裏側に言及した。
「スイープした後にストーンを投げなきゃいけない時もある。心拍数が上がった状態で投げると、ウエイトコントロールが難しいので、スイーパーは早く心拍数を落とすためのトレーニングもしなきゃいけない。上がった心拍数を次に投げるまでにある程度、下げる。インターバルのトレーニングも必要ですね」
そして、小出アナが「見た目としては激しく見えないんですが、運動量は違うんですよね」と視聴者目線で投げかけると、石崎さんは「それはカーリングのせつないところで。すごい運動量なんですよ」と、なかなか理解されづらい選手の苦労を代弁した。
このやり取りにはファンもABEMAのコメント欄で「良く曲げたなぁ」「ナイススイープ、きつそ」「カーリングの哀愁」と吉田夕梨花に寄り添う声を送っていた。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)




