■旧来型の食育はオワコン?

吉村司氏
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 両者共に、幼少期に給食へのトラウマがある。よっちさんは小学校5年生のとき、給食が冷めていて美味しくないと感じ、残していたが「残さず食べなさい」「完食しないと立派な大人になれません」。夢喰獏さんも5歳のとき、給食で苦手なものを残したときに「残さず食べないとお昼寝できません」と言われたという。

 食育総研理事の吉村司氏は「旧来型の食育はオワコン」だと語る。「法律があるのは日本だけだ。食育という括りの中で、栄養、農業、食料自給率、フードロス、食文化などが、ごっちゃになっている。これをそのまま学校で教えている」。

 保育士のてぃ先生は、「食育は楽しさだ。ビタミンやタンパク質は大事かもしれないが、押し付けじゃなく、楽しくするにはどうしたらいいかという発想があれば、食育は悪じゃないと思う」との見方を示した。

 吉村氏が考える、食育のアップデートは「教える」ではなく「共に探求する」ことだという。子どもたちへの食育は、「好き嫌いをなくそう」から「食材探検隊に参加しよう!今日は緑の野菜チームの秘密を探りに行きます」へ。働く世代への食育は「生活習慣病予防のため食生活を見直そう」から「仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンのための食事術」へ。

 夢喰獏さんは「興味をそそるスローガンだったら、チャレンジ精神は出ると思う。私はレバーが食べられないが、鉄分が取れることを知ってからチャレンジしている。でも食べられない。これを繰り返して今に至るが、得られるものが明確に分かっていれば、チャレンジできる子供とか大人もいるんじゃないか」とコメント。

 吉村氏は、「食育はオワコンと普段言っているが、どうしたらいいか、自分でもあまりわかっていない。みんなの知恵を合わせて作っていくべきものだと思っている。そういう話があちこちでできればいい」と述べた。

(『ABEMA Prime』より)

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