【映像】ポッドキャストを聞いている人は年収が高い?(グラフ)
デジタル音声広告事業を展開するオトナル代表取締役の八木太亮氏は、広告市場において大きな存在となっていると話す。
「アメリカではポッドキャストの利用率は40%以上と言われており、日本のXやInstagramみたいな感覚だ」(八木氏、以下同)
iPodで聞ける音声メディアとして2000年代に登場し、動画コンテンツ全盛の今も利用されているポッドキャスト。アメリカでは若い世代への影響力も高く、トランプ大統領の当選を後押ししたとも言われている。
「今は『アテンションエコノミー』などと言われ、長いコンテンツに触れられなくなっている。YouTubeの動画も短尺化しており、記事もできるだけ読みやすく短い時間で読めるという中で、トランプ大統が出ていたポッドキャストは3時間もあり、5000万回も再生された。メディアがどんどんデジタル化で短尺化している中で『長い時間人の話を聞けるメディア』としてポッドキャストは非常に有効だったのでは」
動画よりも情報量が少ない音声コンテンツだが「人にメッセージを伝える」という点では意外な効果があるとされる。
「科学的な実証実験結果もいくつかあり、海外の調査(結果)もすごく出ている。画がある場合と音声だけの場合だと、実は、『生理的に身体が反応する、喋っている内容が届くのは音声だ』と言われている。同じものを見た時に心に響く、手に汗握るなどは、実は音声の方が高いと言われており、音声コンテンツで人の話を聞いた時に、隣にいて喋っているような疑似体験が高いのでは、という点が影響している可能性はある」
AppleやSpotify、Amazonなど、様々な企業が提供している音声コンテンツ配信。アメリカでは急速な市場拡大が進んでいると八木氏は話す。
「2023年のデータだと2,900億円以上あると言われており、毎年伸び続けている状況。アメリカでは日本のラジオ市場の3倍弱ぐらいの市場がポッドキャストの広告だけでできている」
八木氏が「インターネットで誰でも音声配信ができる仕組み。世界で最も普及しているインターネットラジオの仕組みと言っても過言はなく、音声版のYouTubeみたいなイメージ」と説明するポッドキャスト。
アメリカでは、ポッドキャストを毎週聞く人に、SNSのインフルエンサー、映画の著名人、ポッドキャスターのうち「最も影響力のある人物」を聞いたアンケートでは75%の人がポッドキャスターを選んだという(米・MAGNA/Vox調べ 2023年)。
オーストラリアの配信会社 ARNの研究機関「NeuroLab」によると、キング牧師の「I Have a Dream」という演説を「映像+音声」で見せた場合と「音声だけ」で聴かせた場合、後者の方が神経反応のスコアが高かったという。
この結果を受けて、『伊藤亜和のお手上げラジオ』というポッドキャスト番組を放送している文筆家の伊藤亜和氏は「テレビは字幕テロップがバーンと出て、演出がどっと出て『できたものをもらう』というイメージがあるが、音声だけのポッドキャストはどういう光景なのか脳内で補完したりできるから、自分の頭も使う」と述べた。
伊藤氏はポッドキャストの広がりについて「自宅にテレビがないこと」が要因にあると分析した。
「体感だが、私の周りの私より年下の人たちは家にテレビがない人がすごく多い。するとテレビのコンテンツもYouTubeも小さいスマホで見なければいけないが、掃除や洗濯をしながら画面を頑張って見ることは難しい。だから私はポッドキャストを聞き始めたというのもある。周りもそんな感じで広がっているのではないか」
八木氏も同意しつつ「若い人たちはデジタルネイティブで時間を有効活用したい。『何かをしている最中にコンテンツに触れていたい』という時に“ながら聞き”ができるポッドキャストは相性がいい。洗濯物を干しながら、掃除をしながら、耳だけは空いていますという時に音声コンテンツ・音声メディアは非常に相性が良い」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)






