インターネットで配信される音声メディア、ポッドキャスト。近年ではトランプ大統領の再戦を後押ししたとも言われており、利用者も急増している。
【映像】ポッドキャストを聞いている人は年収が高い?(グラフ)
その魅力と勢いについて、デジタル音声広告事業を展開するオトナル代表取締役の八木太亮氏に聞いた。
八木氏によると、日本のポッドキャストの利用率は15%前後だが、15歳〜19歳という若年層では32.8%、クラスの約3分の1がポッドキャストを聴いている計算だ(第4回ポッドキャスト国内利用実態調査 2024年3月 オトナル・朝日新聞)。
若い世代はポッドキャストで何を聞いているのか?
八木氏によると、中学生や高校生たちが好んで聞くジャンルは、「圧倒的に多いのがバラエティで、コメディの番組。英会話コンテンツで勉強しているケースもあるという調査結果が出ている」という。
ただ一方で、ビジネスエグゼクティブの人も多く利用しているといい、そこにはある共通点があるという。
「情報収集が必要な経営層やマネージャーの方たちがビジネスやニュースで情報収集をしたいというケースと、その真逆である若年層、学生も非常に高いスコアだ。一見全然反対にあるように思えるが、そこの共通点は『インプットをしたい』というところ。学生やビジネス層のエグゼクティブな人たちは、忙しい中でランニングや通学時間に情報収集や学習をしているのだろう」(八木氏、以下同)
若い世代はラジオよりポッドキャスト
情報のインプット手段として注目される中、他のメディアとポッドキャストを比較した利用率も気になる。
「全年代だとTikTokやNetflixなど、一見するとすごく使われているようなサービスよりも超える。全年代だと11位がポッドキャストだが、実は15歳から29歳と、10代・20代に絞ると、ポッドキャストはラジオを利用率で超える。若い人にとってはラジオよりも音声といえばポッドキャストの方が親しみがある」
高年収層はポッドキャストを聴いている
「若年層から選ばれるメディア」として存在感を増す中で、広告市場での価値も高い可能性があるという。
「高年収層に多く利用されているメディアであることがわかっている。年収1,000万円以上の層を7つのメディア(ポッドキャスト、YouTube、Instagram、TikTok、テレビ、ラジオ、新聞)で比較すると、ポッドキャストの人口含有率が最も高い。特定の層に強いメディアであるため、広告価値が非常に高い」
日本でもアメリカのように選挙や政治家の利用が増えていくのだろうか。
「価値に気づいた人たちがポッドキャストを始める流れはあると考えている。ポッドキャストは今、YouTubeとも連携している。これを利用するケースは大いにあるだろう」
さらに、アメリカの広告出稿状況から“孤独対策”への効果もあるとみられるという。
「アメリカで一番ポッドキャストに出稿しているのは、実はメンタルヘルスの会社だ。これには理にかなっている部分があると思う。ポッドキャストや音声メディアは孤独を癒したり、誰かの話を聞くことで落ち着く効果がある。その人と繋がっている感じや、会話に参加している感覚がある。それが広告出稿にも反映されている」
(『ABEMAヒルズ』より)
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