フードロス問題が、コンビニ業界でも深刻化している。1店舗あたり年間468万円(中央値)の食材が買われず、廃棄されているという。そんななか、ファミリーマートのあるアイデアが功を奏している。
それは「涙目シール」だ。おにぎりが涙目で「たすけてください」と訴えるデザインで、これを割引シールに取り入れて実証実験を行ったところ、通常の値下げ表記のみのシールと比べ、購入率が5ポイントアップした。
ファミリーマートのサステナビリティ推進部環境推進グループの松村陽氏は「『可哀想だから』と買ってくれた人もいる」と効果を語る。これを全国の店舗で、1年間継続できれば、年間3000トンのフードロス削減になるという。25mプール10杯分の量だ。
そんな「涙目シール」の開発には、まさに涙目になりそうな試行錯誤があった。
「どんな表情やメッセージが消費者に伝わるだろうか。私個人は『笑顔の方がポジティブなイメージでいいのでは』と(感じていたが)、消費者のインタビューで『売り込んでいるように見える』『販促だ』『キャンペーンに見える』という声があった」(ファミリーマート・松村陽氏)
キャラクターの表情は、笑顔や号泣、焦り顔、困り顔など、計10パターン用意した。メッセージも「このままだと…」「食べてほしいです」「食べるならボクを…!」などのアイデアが出た。サステナビリティ推進部環境推進グループ マネージャーの原田公雄氏が苦労を振り返る。
「社内的に『たすけてください』とか『僕は捨てられちゃいます』みたいな直接的なメッセージだと、『お客さんの反感を買うのでは』との声が多かった。売っている食品に『捨てられちゃいます』と書くのもどうなのか。店を『たすけてください』と、なぜお客さんに頼むのかと、(社内では)ネガティブに受け取る人間が多かった」(ファミリーマート・原田公雄氏)
しかし消費者モニターからは、「このデザインが一番しっくりくる」との声があり、採用が決まった。「『たすけてください』と言われると、涙目と相まって、『もう廃棄になるから困っているんだなと、結構わかりやすい』みたいな声が多く、なるほどなと」(原田氏)
「涙目シール」は、2025年3月から全国の店舗で導入予定だという。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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