【写真・画像】性管理職は“完璧”を求められる?  「30%目指す」前にやるべきこと 1枚目
【映像】偉くなるほど“幸福度”はガクンと下がる?(グラフ)
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「時代もどんどん変わっている。複雑で多様化する時代。そのなかで、意思決定の場に女性がもっともっといてほしい」(小池都知事)

【映像】偉くなるほど“幸福度”はガクンと下がる?(グラフ)

 東京都は1月28日に企業が女性活躍などを考えるイベントを開催。女性活躍の推進に力を入れる企業のトップらと「女性管理職の育成を目指す」などの共同宣言を発表した。

 厚生労働省でも、女性の管理職比率について従業員101人以上の企業に公表を義務付ける方針を示している。海外と比べても、女性管理職の比率が低い日本。労働政策研究・研修機構が公表した女性管理職の割合の国際比較では、フィリピン=53.4%、スウェーデン=41.7%、アメリカ=41%などに対し、日本は12.9%にとどまっている。
 

東レ経営研究所 DE&I共創部長 宮原淳二氏
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 女性のキャリア設計などに詳しい東レ経営研究所 DE&I共創部長 宮原淳二氏は、原因の一つに女性管理職に対して「完璧」を求めてしまう風潮があると指摘する。

「“すごい人”がなるというイメージが強い。女性の場合、全て完璧じゃないと管理職としてはふさわしくないみたいなやや“アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)”もあるので、そこがハードルを高くしてしまった要因という気がする。数が少ないため、なった人に注目が集まり、何か失敗したら目立つ。その辺が変わってくるといい」(宮原氏、以下同)

管理職に必要な資質と自身の能力評価
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 正社員の男女に聞いた民間調査では、業務経験の広さやコミュニケーション力など管理職に必要な資質について、管理職・非管理職ともに高い水準で重視している。一方で、その資質に関する自身の能力評価については、管理職は自己評価が高く、非管理職は低いのだが、この傾向は女性の非管理職が最も顕著だ(出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)。

 女性管理職を増やすために、不安を取り除く制度を取り入れる企業もあるという。

「役員、あるいは本部長がメンター役としてつく会社もある。月1回ほど面談などフォローするような。実際、辛いことをメンター役がフォローする会社はちらほら増えてきている」

 昔は強い発言力で競い合う印象の強かった管理職だが、そのタイプにも変化が起きているという。

「相手を気遣ったり『最近なんかちょっと顔色悪いけど何かあったの?』とかやっぱり“共感型リーダーシップ”がこれから求められるのでは」
 

役職と幸福度
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 管理職の9割近くが男性という実情について、EVeMエバンジェリストの滝川麻衣子氏は「フジテレビの不祥事等もあったが、やはり同じような年代、同じような経歴、同じような考え方の人たちで意思決定層を固めてしまうと“世の中とのずれ”だったり、あるいは『これっておかしくないですか?』と違和感を言ってくれる人がいなくなる。組織の意思決定層に多様性をもたらさないと非常に歪で密室性の高い組織になってしまうリスクが高い。(女性が相談できず)女性の声が反映されていない問題も起きて、組織カルチャーが偏っていくことは容易に想像できる」と述べた。

 さらに滝川氏は「家庭における女性の家事育児分担の大きさが問題に拍車をかけている」と指摘する。

「若い世代ほど変わってきているとはいえ、今も家庭における家事育児の分担は女性が多い家が多い。職場ではプレイングマネージャーで業務があり、家に帰ったら子どもの迎え、ご飯、送迎とか、女性にのしかかってくると“無理ゲー”になる」

 どのような対策が有効なのだろうか?

 滝川氏は「女性の社会進出と並行して男性が家庭進出することが大きい。あと、若手リーダー育成をしている時に、女性の方が自分の評価が低いため『できるできるできる』とエンパワーすることも大事だ。また、“技術としての管理職のやり方”を教えてもらうこと大事で、車の運転を習うみたいに、技術としてマネジメントのやり方を覚える」と述べた。

 東レ経営研究所の宮原氏によると、これからは「共感型リーダーシップ」が求められるという。その例としては、「背中を押しフォローする」「体調面に充分配慮する」「本人としっかり話し合うこと」などがあり、リーダーシップのあり方も変わってきているという。

 これを受けて滝川氏は「『シェアドリーダーシップ』という、リーダーシップをいろんな人で分担するというやり方もある。あと共感型もだが、『サーバントリーダーシップ』みたいに、ケアしたり奉仕するリーダーの姿もある。だから『リーダーのあり方も色々あっていいんだよ』となることも女性にとっても『俺についてこいタイプじゃなくていいんだ』『励ますリーダーがいてもいい』『弱みをさらけ出すリーダーがいてもいい』と思える」と説明した。

「幸福度が下がるのでは」など、ネガティブ話も多い管理職。

 だが、滝川氏は「チームで何かをやり遂げる時に意思決定をしたり、みんなを励ましたりする仕事はけっこう大事だし、実はすごく幸福感もあると伝えたい。私は管理職という道を選んでからの方が仕事が楽しくなった」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)

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