■優秀な親との理想のコミュニケーションとは
スタジオからは、両親と理想的なコミュニケーションを取れたことで、現在があるという声もあったが、その点については「期待と理想」の違いについて述べた。
岸谷蘭丸氏 「期待なのか理想なのか、違いがある。親から期待をしてもらうのはすごく大事。『期待しているよ。頑張ってね』と投資をしてもらうのは、いい結果に行きやすくて、周りの子どもを見ていてもそうだ。特に早稲田、慶應に(小・中学校など)下から行っている子たちは、親も太くて、何一つ不自由がない。そういう子の中でも、幸せを感じられているか、感じられていないかは二極化して分かれている。この差を見ると、これは僕の個人的な意見だが、親が理想を押し付けているタイプは、なかなか幸せを感じられない。親の理想にどうしても応えられないと思ってしまうが、期待されている、『頑張ってね』とコミュニケーションが取れている家庭は、親とは違うフィールドで、でも親を超えてやるぜとみんな思いながら頑張って、幸せを感じられていると思う」。
大人になるに連れて、優秀な親の財力、知名度などを利用する方法もあった。ところが岸谷蘭丸氏は、昨年まで「岸谷」姓を隠して活動をしていたことからもわかるように、親を利用することをしてこなかった。その理由はなぜか。
岸谷蘭丸氏 「やっぱりロックンロールじゃないから(笑)。それはもう遺伝。すごく個人的な話になるが、ダサい・ダサくないの基準が、すごく親からきている。母親からの影響がすごく強いので(親の力に頼ることが)ダサいと普通に思っていた。要は親の力が全く関係ないところで、何かしらの自分の存在証明をしたいというのがあったから、だからむしろ使いたくなかった。ただ、逆に今はちゃんと素の自分でいられる。親が何者かであるというのは、やはり自分のアイデンティティ。それを素直に出せるのは気持ちいい状態だ。(学生時代)、音楽の時間のプレッシャーはやばかった。もう大人になって、やっと開き直れるようになって『自分はこういうものです』と自分のアイデンティティができて開き直れたので、飲み会でも(プリンセス プリンセス)の『M』も歌う」。
■偉大な親から受けた影響とは
