純金融資産1億円以上を保有する「富裕層」「超富裕層」の世帯数は、2023年に最多を更新し、およそ165万世帯となった。これは調査開始の2005年と比べてほぼ倍である。
「資産40億円ニート」として資産の変動や日々の生活を配信しているマサニーさんはその極意を「2024年8月に大きな株価の下落があって5億円を損したことがあった。そんな時もそんなにネガティブにならずに『オッスおら損5億』とX(旧Twitter)にポストしたくらい、暴落をむしろ楽しんでいた」と語る。
また、景気に一喜一憂することなくコツコツ投資を続けることが重要だという。
「最も再現性があるのは節約。収入があって、その収入の中で節約をして貯蓄を増やし、余力資金でインデックスの投資信託をコツコツ積み立てることが再現性がある手法。運用成績が最もよかった人の属性でよく話題になっているのが、亡くなった方とか口座の存在を忘れていた人の運用成績が最もいい人というのが一時期SNSでも話題になった」
マサニーさん自身、食費を月1万円に抑えるなど、節約を徹底して余剰資金を投資に回していた。知人が立ち上げたスタートアップへの投資が大当たりしたことで一気に億万長者への道を駆け上がったが、リスクの高い投資は絶対におすすめしないとも話している。
「私の場合は当初、手取り25万円しかなかった。その収入の中でコツコツ投資をして、13年間かけて5000万円を貯めた。継続すれば20数年で1億円を突破していたと思う」
政府の経済政策や大物投資家の動きなど、株価を左右する情報が日々入ってくる中、石のようにかたい意志が「いつの間にか富裕層」実現のカギを握っているようだ。
現時点で資産48億円まで膨れ上がったマサニーさんは、長期的な資産形成から人生をかけて使い切るフェーズに移行しているという。
「『暴落があっても売らないことが極意』と偉そうなことを言ったが、最近投資していた『オルカン』というインデックス投信を売却した。8.7億円ほど売却し、6000万円納税した。今年は最低10億円以上使い切りたいと思っている。5億円くらいの新居を購入したい。あとはスタートアップ数社に数億円出資したり、税金も昨年スタートアップで大きな売却益が出ているのでその支払いに1億円超。去年能登の地震に寄付したが、今年も続けていきたい。『資産40億円ニート』とうたっていて今資産48億円あるが、今年中に『資産30億円ニート』に改名することが目標だ」
彼の姿勢は、一貫して投資を楽しみ、冷静に続けることの重要性を示している。景気の変動に右往左往せず、長期的な視点で資産形成を続けることが、成功への道だ。
「長期保有なら必ず花開くっていうのは、それはちょっと違う」
マサニーさんについてエコノミストの崔真淑氏は「頭もよろしいと思うし、やはり投資が本当に好きなんだと思う。5億円損したという話があったが多分、私も含め一般の人はちょっと目減りするだけで、もう嫌になると思う。胆力があると思う。だから、その胆力に自信があるという方は真似するのはいいと思うが、そうじゃない私のような人はコツコツまずは投資を始めることも大事かと思う」と述べた。
マサニーさんが基本としている長期保有について崔氏は「長期保有なら必ず花開くっていうのは、それはちょっと違う」と指摘する。
「よく『時間分散』と言われて『買うタイミングをずらしてコツコツ投資をしましょう』と言うが、それが本当に儲かるならば、どんな資産、例えば株とか債権とか、いろんな全ての資産がいつかは価格が戻ることを“平均回帰性”というが、それが前提になる。でも、平均回帰性が全ての資産があるかというのは、まだファイナンス理論的にも証明されてはいない。なので、一番リスクの分散になって長期的に花開く可能性があるのは『資産の分散』だ。だからリスクがあるかもしれないが、ちょっと仮想通貨や金に入れてみたり、株に入れてみたり。でも、『安全資産』と言われるような国債とか社債とか、そういうところにも入れる。とにかく資産を分散してコツコツ行うのがまず重要」
日本の名目雇用者報酬は前期比1.7%増となっているが、投資に回す元本は増えているのだろうか?
崔氏は「これは名目でありインフレ率を加味してないものだが、雇用者報酬も特に冬のボーナスの影響もあって、昨年の10月から12月伸びてきている。いよいよ物価の上昇以上に賃金も上昇してきているのではないかという明るい兆しが見え始めたかもとは思っている」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)



