【明治安田J1リーグ】名古屋グランパス 2-2 ヴィッセル神戸(2月22日/豊田スタジアム)
ヴィッセル神戸のFW大迫勇也がキックオフから20秒後にネットを揺らした。肩で決めたゴールに見えたが、VARの判定はハンドでノーゴールとなり、物議を醸している。
注目のシーンは、明治安田J1リーグ第2節で名古屋グランパスと対戦したキックオフ直後のことだ。神戸がキックオフの流れから右サイドを起点に攻めた。
大迫は右サイドからMF鍬先祐弥が上げたクロスに鋭く反応。自身をマークしてきた名古屋のMF稲垣祥の前に入り、ボックス内の中央に飛び込んでいく。そこに鍬先からのボールがDF三國ケネディエブスの頭上を越えてピンポイントで届いた。背番号10は左肩でタイミングよく合わせ、ゴールマウスの左下スミに流し込んだ。
電光石火の先制点を決めた大迫は、ゴール直後に自身の左肩を指して、肩で合わせたことをアピール。駆け寄ってきたチームメイトも“肩ゴール”を確認しながら、喜びに浸っていた。解説の佐藤悠介氏は「肩ですかね?」と疑念を口にしつつ、「質の高いクロスに対して(ゴール前は)1枚でしたけど、大迫は入り方がうまいですし、目線で駆け引きしながら背中側からグッと入っていますよね。(シュートは)左の肩ですよね」と絶賛した。
クリムゾンレッドが歓喜に包まれる中、VARは攻撃側によるハンドの可能性を確認。主審が実際に映像を見るOFRも実施した。佐藤氏が「そんなに不自然に手が動いたようには見えなかったですけどね。肩の堅い骨に当たらないと、このような軌道でボールは飛んでいかないと思います」とコメントする中、木村博之主審は腕を意図的に動かしているか、腕が不自然な位置にあるかどうかを入念に確認する。
ネットが揺れてから約2分後、判定は大迫のハンドでノーゴールに。OFRに用いられたリプレイ映像は斜めからのもので、この角度からなら肩ではなく腕に当たっているようにも見える。一方で判定が覆るような腕に当たっている確証も得られない映像のため、実況席は驚きを隠せず。 大迫は苦い表情で再び肩で合わせたことをアピールした。
これにはファンも納得がいかず「見れば見るほど肩だな」「ハンドに見えない」「やってられんだろ」「肩にしか見えんけど」「オンフィールドレビューであの判定されると厳しい」「大迫ゴールはハンド?肩の骨の出っ張りじゃないの?」とノーゴール判定を受け入れられない声が多く見られた。同時に「審判、グッジョブ」「肩じゃないよ」「大迫のハンドは何とも言えない」という声もあった。
慌ただしい幕開けとなった一戦は、打ち合いの様相を呈すことに。名古屋が56分にDF徳元悠平のゴールで先制すれば、70分と75分に大迫が意地の2連続ゴールをたたき込む。だが、85分に稲垣がネットを揺らし、2ー2の痛み分けとなった。
大迫が2ゴールを決めたこと、そして試合が引き分けに終わったことを受けて、ファンが「20秒のゴール認められてたらハットトリックやったな」「私の中で大迫はハットトリックやったと思う。悔しい」とSNSに綴ったように、悔いの残る結果に終わっている。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)