【2025 SheBelieves Cup】アメリカ女子代表 1-2 日本女子代表(日本時間2月27日/スナップドラゴン・スタジアム)
なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)のDF熊谷紗希が、頭から流血した直後にもかかわらず決死のヘディングクリア。ファンの心を打った。
なでしこジャパンは日本時間2月27日、「2025 SheBelieves Cup」(アメリカ開催の4か国対抗戦)の第3戦でアメリカ女子代表と対戦し、MF籾木結花とDF古賀塔子がゴールを決め2ー1で勝利。FIFAランキング1位の世界女王アメリカに勝つのは実に14試合ぶり、41試合で2勝目、敵地での勝利は史上初、そして大会初優勝とまさに歴史的な快挙となった。
第1戦はアンカーだった熊谷は、この第3戦でキャプテンマークを巻いてCBとして先発。日本の守備を統率したが、62分にアクシデントに見舞われた。自陣ゴール前でMFリンジー・ヒープスと競り合った際に側頭部を負傷。頭からかなりの血を流しており、実況の瀬﨑一耀氏は「ヒープスの歯が入ってしまったのかもしれません」と伝えていた。
熊谷の出血はなかなか止まらず、ドクターに付き添われてピッチ脇で治療が続けられる。約6分間に渡る治療の結果、熊谷は頭にテーピングをぐるぐる巻きにしてピッチに戻ってきた。すると試合終盤の84分、決死のディフェンスを見せた。
押し込まれたなでしこジャパンは、左サイドのFWアリッサ・トンプソンからクロスを入れられる。ボールの先にいたのは、またもヒープス。しかし、再び熊谷が鋭く寄せて身体を投げ出し、ダイビングヘッドでボールを弾き返す。頭部から流血した直後にもかかわらず、まったく恐れを感じさせない魂のディフェンスだった。
この胸熱プレーには、ABEMA視聴者も大興奮。コメント欄には「魂のクリア」「やり返した」「熊谷ほんまようやっとる」「熊谷よう寄せたわ」「勇敢」「タフすぎる」「すごいクリア」など称賛の声が書き込まれた。また、SNSでも熊谷の闘志に反応する声は多く、「熊谷、ヘディングでクリアって、大丈夫かよ……」「熊谷選手が闘将すぎる!」「熊谷さん身体張りすぎ」「ヒープス選手対熊谷さん、見応えありすぎ」などのコメントが見られた。
直後に血が止まったことを確認して包帯も取った熊谷の魂のディフェンスもあり、アメリカの猛攻に最後まで耐えたなでしこジャパンは、過去の対戦で1勝8分31敗と大きく負け越していた世界女王から実に13年ぶりの勝利を挙げた。
試合後、選手を代表して中継インタビューに応じた熊谷は、スタジオで解説を務めたなでしこジャパンの元同僚・岩渕真奈氏から「熊谷選手お疲れ様です。まずは頭の怪我は大丈夫ですか?」という質問が飛んだ。すると熊谷は笑みを浮かべて「包帯で出てきた時は岩渕さん、笑ったと思いますけど大丈夫です」と返し、2人の仲の良さが垣間見える一幕となった。
続けて岩渕氏に「長年アメリカと戦ってきた熊谷選手にとっても、新生なでしこにとっても、価値ある勝利だったと思います。試合を振り返っていかがですか?」と問われると、熊谷は「監督から『恐れずに戦う』と今大会はすごく言われていて、そういうところを試合中に出せた」と相手の良さを消し、金星を挙げることのできた背景を語った。
さらに「優勝という最高のスタートになりましたが、今後はどんななでしこジャパンを見せていきたいですか?」と聞かれると熊谷は、「初めて新監督(ニルス・ニールセン)と戦って、タイトルを取れたことはすごく大きなこと」とコメント。そして、「だけど、まだまだだと思っています。この優勝を良い自信にして、個々が自チームで(活躍をして)、世界で戦えるもっともっと強いなでしこを見せられるようにしていきたい」と、早くも先を見据えていた。
キャプテンマークは第1戦でMF長谷川唯、第2戦でDF南萌華が巻いた通り中堅がリーダーシップを発揮するまでに成長し、さらにDF古賀、MF浜野まいか、MF谷川萌々子など若手の活躍も目立った今大会。しかし、魂のディフェンスで守備を支えた34歳の熊谷、4ゴール・3アシストで大会得点王とMVPをダブル受賞した30歳の田中美南など、ベテランたちも健在ぶりを示す大会にもなった。
(ABEMA/2025 SheBelieves Cup)





