■「“自分が何者か”をわかっていらっしゃる気がする」
広沢達明(不二製油株式会社 取締役 営業部門長兼東京支社長):完璧なプレゼンテーションありがとうございました。コートジボワールで2週間活動されて、失敗もあれば挫折もあるじゃないですか。その事例と、どう克服していったか。
八木:日本人の学生、それこそメンバー一人ひとりのモチベーションや、向いている方向、目指す理想像がすごく違うことに、最初から気づけなかったというのが、自分の中で難しかったところです。話を聞いていく中で、「この子は自分の中で探求するのが好きなんだ」とか、「もっといろんな人と関わりたいけど、できてないんだ」など一人ひとり違うことに途中で気づき、ヒアリングして乗り越えられたというエピソードがあります。
廣野仁(日本航空株式会社 客室乗務職):対応力がすごいなと思っています。リーダーシップを発揮する場面が留学の時にあったかと思うんですけれども、リーダーシップで一番大事なものは何だと思われますか?
八木:1人だけだと描けない理想像を一緒に描いて、本人が動くために背中を押すことかなと思います。小学校ぐらいまでサブリーダーが好きで、けん引するのがあまり好きではなかったんですけれども。高校の時に参加したあるプログラムで、1人では気づけないその人の強みとかを見つけて、背中を押して、その人が変わる瞬間を見るのがすごく好きだということに気づいて。それが自分にできるリーダー像だと思っています。
大口一仁(株式会社みずほフィナンシャルグループ 人材戦略推進部 採用チーム 次長):非常に多彩な活動やボランティアに参加されて、“自分が何者か”をわかっていらっしゃる気がするんですけど。逆に言うと、こういう仕事はしたくないっていうのはありますか?
八木:仕事でこれが嫌だっていうのはないんですけど、環境でこれが嫌だというのは1つあって。自分の目的に向かって動いている人が1人もいない環境は、あまり働きたくないと思うところです。自分自身、目的に本気だからこそ成果を上げたいと思うタイプだからです。
白坂ゆき(株式会社CaSy 取締役 CHRO 兼 キャストエンゲージメントプロジェクトマネジャー):人も生き物も幸せな世界、とおっしゃっていました。八木さんのスケールを思った時に、一番当たり前にしたい“綺麗事”は何でしょう?
八木:どんな世界や社会で、どんな教育を受けてきた人にもある、その人にとっての綺麗事。それが実装できるような社会を作りたいっていうのが、一番の綺麗事です。綺麗事って良い言葉である必要はないと思っていて。その人が“こうだったらいいのにな”“こうなれたらいいのにな”っていう、理想だけど“のにな”で終わってしまっている部分がすごくあると思うので。それを“大丈夫だよ、信じていいんだよ”“本当にできるよ”っていうところに持っていくのが、自分の一番の綺麗事です。
■「穴がない」「どう育てたらこうなるのか」
