【写真・画像】高校無償化に西田亮介氏「都市部では私立人気が過熱し、地方では幅広い人たちの教育の底支えになる」 1枚目
【映像】高校無償化 「いつから」「いくら」支給される?(図説)

 高校授業料の無償化で自民、公明、日本維新の会が合意した。

【映像】高校無償化 「いつから」「いくら」支給される?(図説)

 今年4月から公立、私立問わず、所得制限もなく全世帯が対象であり、子育て世帯には朗報のようだが課題はあるのか? 日本大学危機管理学部教授/東京科学大学特任教授の西田亮介氏に聞いた。

“私立加算”の方が多いため、私立に行く方が“お得”なのか?

 西田氏は「“私立加算”を行うのは2026年からだ。一般に私立学校は豊富な資金を背景に様々な工夫や投資をして、設備が良かったりすることが多い。特に東京や大阪など都市部では上位校が私立であることが少なくないので、都市部では私立人気が加速するのではないか」と述べた。

 だが地方では事情が少し異なるという。

「地方は上位校に公立学校が来ることが多い。学校を選ぶ時の物差しに『上位の学校に行きたい』という動機がある。地方において、上位校が公立であるような地域においてはいきなり私立人気が過熱するということにはならないのではないか。まとめると、東京や大阪など都市部において私立人気が過熱し、地方においては中位以下校に私立校が多いので、むしろ幅広い人たちの教育の底支えになるのではないか」

 多くの人が進学するとはいえ、義務教育ではない高校の無償化が必要なのだろうか?

 西田氏は「これは悩ましいところだ。というのも、9割を超える人たちが高校に入学する現状で“準義務教育”と考えられている。そこに対して支援を行っていくということ自体は好ましい。ただ、基本的には標準的教育を公立学校が担い、私立の学校は様々な上乗せで、それぞれの学校の独自性を打ち出した教育をやっていくという考え方だ。したがって無償化の基本は公立学校であるべきで、私立学校の独自性が無償化で失われるようであれば、この授業料無償化は歪なものになりかねない」と説明。

 さらに「それから今回の議論を通じて一つ懸念されるのは、公立学校、今の物価上昇の中で設備投資が追いつかず、人件費が十分ではないなど、様々な課題が指摘されている。そうした課題に本来は振り向けるべき予算が無償化に投入されることで改善されないようであれば、それもおかしい。3党合意の中にも『無償化に関連して生じる様々な問題は引き続き検討する』というようなことが書かれているので、その具体化を注視したい」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)

【映像】「気持ち悪い」 小学校隣接の公園で性的ビデオ撮影
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