月による裁きがインターネット上でも大きな話題になった頃、テレビでICPOの全世界同時特別生中継が始まった。画面にはリンド・L・テイラーと名乗る男が座し、キラを必ず捕まえると宣言。そしてキラに向かって「お前のしていることは悪だ」と言い放った。
デスノートを押さえられない限り証拠は残らないと余裕の表情を見せていた月だが、「悪」という言葉に敏感に反応する。ニヤリと笑みを浮かべるリンド・L・テイラーの様子が我慢ならず、思わず立ち上がる。そして、「神に逆らう者、それこそが悪だ!」とデスノートにでかでかと“リンド・L・テイラー”とその名前を大きく書き殴った。
これによりリンド・L・テイラーが心臓麻痺で死亡し、月は勝ち誇るように笑った。しかし、これはLの策略だった。死亡した男は画面の男ではなく、放送当日に死刑が執行される予定の犯罪者だったのだ。画面に映るLは、リンド・L・テイラーという名前ではなかった。冷静に考えれば、テレビに映る人物が危険を冒して本名を名乗るかどうかを疑うこともができたはずだった。しかし、「悪」と煽られたことで月はその判断をするタイミングを逃してしまった。いくら天才でも若さゆえか……月の煽り耐性の低さが露呈したワンシーンだった。
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ
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