主題歌『super special love』に手応え「人を愛する上で感じる不安や切なさが匂い立つよう」

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──それから30年、『super special love』が同じ原作者のドラマの主題歌に。曲想を教えてください。

確かお風呂上りにタオルで頭を拭いている時にふっとメロディーが浮かび上がって来て、なんだかいい感じっぽいなと。それですぐに洋服に着替えてパソコンに打ち込んだり、ボイスレコーダーに鼻歌を吹き込んだりしたのが最初です。大まかなメロディーが固まったので歌詞を書こうとトライしたけれど、最終的にはラブソングの方が良いのではないかと思って、ラブソングに落とし込んでいきました。普段の僕はファンクミュージックが好きなので、その場のノリだとかグルーヴ感、ビートを大切にして頭でこねくりまわさず、カッコよければ良しにするスタイルで作っています。でもラブソングとなるとそうはいきません。

──ラブソングとなると使う脳の部分も違うのでしょうね。

サラサラッと書く日記ではなく、しっかりとしたストーリー性のある脚本を書くようなイメージが近い気がします。そうなると緻密な作業が必要になるのでちょっと悩みましたが、スタッフや仲間にデモ音源を聴かせたり、歌詞の下書きのようなものを見せたりしてアンケートを取ったら「メッチャいいじゃん!」「ラブソング作りなよ!」と言ってもらえて。自分としても「確かに新鮮味はあるよな」と思えたので色々と頭で考えて、結果的に一ヵ月半くらいかけて試行錯誤して曲に落とし込んでいきました。ラブソングにはストーリーや情景が必要だと思うので、その表現を生み出すのに時間がかかりました。どんな環境、状況にいて、片思いなのか両想いなのか、そのような設定が必要になってくるので。

──手応えのほどは?

同じ歌詞を繰り返す構成にしたことで、人を愛するというピュアな感情の中にネガもポジも入っているような感じに落とし込めたし、人を愛する事、人を愛しすぎる事、愛の定義、そして愛とは何?という問いかけも出来たような気がします。自分としても作って良かったと思えているし、面白いラブソングになったような気もします。ラブソングではあるものの、緊張感や危うさ、儚さ、切なさのようなものも感じられて、僕の中でも不思議な一曲になりました。純粋無垢にその人を愛するというキラキラのラブソングだと思って作ってはいたけれど、聴き込めば聴き込むほど、人を愛する上で感じる不安や切なさも匂い立つようで、作った僕としても想像以上の独特なカラーの曲が生まれたという驚きがあります。すでにライブで何度か歌っていますが、反応が良いのでとても嬉しいです。

──新境地を開いた楽曲の提供先が『金田一少年の事件簿』と同じ原作者のドラマというのもエモいですね!

『金田一少年の事件簿』の放送から丁度30年の節目ということもあり、お話しを頂いたときは驚きがありました。まさに御縁なのかなと…。常日頃から僕は「自分一人で出来ることなどない」と思っていて、至る所で色々な人たちに救われ、御縁に恵まれていると実感しています。僕自身の環境が大きく変わる中で、主題歌提供、しかも天樹征丸さんの原作という巡り合わせ。このリズムには本当に感謝です。『金田一少年の事件簿』との関係性もあるので、僕を昔から応援してくださるファンの方々もきっと喜んで、感情も高まってくれるのかなと思います。

【写真・画像】”堂本剛、『金田一少年の事件簿』再放送を見て「犯人誰やねん」 当時の記憶はほぼナシも「僕の人生のちょっとした時間に必ずついてくるドラマ」 4枚目
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取材・文:石井隼人
写真:You Ishii

<衣装クレジット>
・tk.TAKEOAKIKUCHI
・BASISBROEK
・77circa

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