3月10日、トランプ政権の関税政策への警戒感からニューヨーク株式市場では株価が急落した。
中でも、イーロン・マスク氏がCEOを務めるテスラ社の株価はこの日15%以上値を下げ、この3カ月で半分近くまで減少した。トランプ政権で政府機関の人員削減など大ナタを振るうマスク氏に不満を抱いた人々が、全米各地のテスラ販売店で大規模なデモを行うなど、抗議活動が広がっている。
「イーロン・マスクは出ていけ!」「あらゆる手段でイーロン・マスクへ攻撃しないといけない」(デモ参加者)
マスク氏への批判の声はアメリカ国内だけではない。
「AfD(ドイツのための選択肢)がうまくやれることを願っている。ドイツにとって良い事だと思う」(イーロン・マスク氏 1月25日)
マスク氏が反移民を掲げるドイツの極右政党「AfD(ドイツのための選択肢)」への支持を表明したことで、ヨーロッパでも反発が広がっている。
そんな中、ホワイトハウスに姿を見せたトランプ大統領とマスク氏。トランプカラーの真っ赤なテスラ車に乗り込んだ“EV嫌い”とも言われていたトランプ大統領は「今までのダッシュボードと違って全部コンピューターだ」と絶賛した。
トランプ大統領はテスラ車を購入すると表明し、不買運動などで不振に苦しむテスラへ助け船を出した。
トランプ大統領の手厚い支援を受けているマスク氏だが、ニューヨーク・タイムズによると、3月6日に開かれた閣議で、政府職員の削減方針を巡ってルビオ国務長官と激しく衝突したという。
「国務省職員の削減努力が足りない」と非難するマスク氏に、ルビオ長官は「1500人以上の職員が早期退職に応じた」と強く反論。口論が続いた後、トランプ大統領が仲裁に入りその場を収めたとされる。
この件について記者団から質問されたトランプ大統領は「イーロンとルビオ国務長官はとても仲が良く、2人とも素晴らしい仕事をしている。衝突はなかった」と発言した。
「マスク氏そのものが究極の利益相反」
