
山火事が発生した岡山市。そして、愛媛県でも発生した山火事。なぜ、今年は大規模な山火事が相次いでいるのでしょうか。
【画像】“赤く染まる町”岡山で山火事 黒煙上がり炎が燃え広がる
■岡山・愛媛で山火事 延焼続く

すぐにやんだ雨、不安を消すには至りません。
避難した人
「ものすごく不安です。とにかく家が焼けないように、みんなが困らないように。本当に不安でいっぱいでした」
撮影した人
「火に近付いてるよ。今、煤(すす)すごい」
岡山市内を走る車、不気味に赤く染まる町を走ります。
岡山で山火事が発生したのは、23日午後3時ごろ。
通報した人
「山火事だと電話した。普通に草がバーッと燃えた感じ」
現場周辺の最大瞬間風速は14メートルを超え、瞬く間に延焼しました。
周辺住民
「もうびっくりして、重機を置いているから取りに行った。こんなのです。こんなの。そうです。全部」

火の勢いは、24日も衰えることはありません。
場所は岡山駅からおよそ10キロ、湾を挟んだ南区などです。岡山駅前のカメラが延焼する様子を映していました。
23日午後6時半ごろ、2カ所ほどから火が上がっている様子が分かります。10分ほど経つと、さらに山の上から炎が上がります。
午後7時半ごろ、炎が徐々に画面右方面に延焼していく様子が分かります。

位置関係を詳しく見てみます。火は南区と玉野市の一部でおよそ250ヘクタールを焼き、住宅など6棟に延焼しています。近くには高齢者施設や工場もあります。
番組は、その周辺へ向かいます。
周辺住民
「怖かった。(電話で息子から)『何もかも持ち出すこと考えるなよ』と。位牌(いはい)と体のことだけ考えてくれと。(山火事は)何十年も前に大きなのがあった。ここまでではなかった」
消防団が駆け付け、住宅への延焼を防いでいます。
29人の高齢者が暮らす老人ホームでは、23日時点で全員が避難しました。
特別養護老人ホーム宮浦荘 眞野朋亮施設長
「そこの山がだいぶ風もあって、こっちの斜面まで火の手がかなり来たので、やばいかなと思ったので早めに避難させて、見ているうちにすぐ火の手が追ってきた」
水硫化ソーダなどの化学薬品の製造を担う工場では23日夕方、一時タンクの近くまで煙が迫りましたが、現在は延焼の心配はないとしています。
工場担当者への取材から
「風向きによって一時的に煙が来ることはあったが、きょうはそこまでいっていないと考えています。基本的にはすぐ燃えるようなものではない。可燃性ではない」
■“大規模火災”なぜ相次ぐ?

岡山市は403世帯に避難指示を出し、避難所も開設されています。
避難した人
「落ち着くことはできない。いつ来るのか、身近に迫っている火が」
避難した人
「ちょうど山際なので家が。今見たら、近くまで(火が)来ている」
市の職員
「高齢者が多いので、いったん来てまた帰る人がいるので、それが一番気になる」

固唾(かたず)をのんで見守るのは、住民ばかりではありません。
現場に登山でよく行く人
「びっくりしました。いつも行っているところが燃えて、どうなるんだろうと思って。風景のきれいなところがなくなっていくのが残念」
現場周辺の山々は緑豊かな自然に囲まれ、海を望む登山スポットでもあります。地図で見ると、この映像が撮られたのは、ちょうど燃えているこの辺りでしょうか。徒歩30分で登ることができ、岡山市内を一望できます。
現場に登山でよく行く人
「ハイキングコースが結構あるので、ちょっと登るだけで街中の景色見える。天目山に登ったら海の方まで全部見えるので、非常にきれいなところ。ハイキングにいい。すごく残念」

山火事は、瀬戸内海を挟んで110キロほど離れた愛媛県でも起きています。墓地の上空は、白煙と炎で赤く染まります。
愛媛県今治市でも同時多発的に山火事が発生。今治市や西条市の一部で、およそ1000世帯に避難指示が出されています。
避難した人
「早く帰りたいし、これ以上燃え広がらないように、それを祈るばかり」