「障がい者を扱ってるっていう気持ちにならない。ただ『就職を頑張って目指そう!』って応援する立場」

【写真・画像】元『ROOKIES』俳優・五十嵐隼士さん(38)、長野で「障がい者の就労支援事業」を立ち上げ「俳優復帰はない。福祉の仕事に携わった時点で、中途半端にやるつもりはない」 3枚目
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 事業所の利用者は10名ほど。様々な事情を抱えながら職業訓練に励んでいる。

女性利用者「いろいろ学びながら訓練ができるところがあるということで紹介してもらいました。(五十嵐さんは)すごくおおらかで話しやすい。気さくな面と、就職に関してはしっかり見て指導してくださる。すごく頼りになるなって思っています」

男性利用者「前の仕事を退職して、何か技術を身につけたいなと思っていたんですけども、その時にちょうど、こちらのCMが流れておりまして。『ゲームをプレイする側から作る側へ』というキャッチコピーに、すごく惹かれまして。問い合わせして、今こういうところまでできるようになって、すごく自信がついたっていうのを実感しております」

五十嵐「何かちょっと困ったことあったら利用者さんのパソコン覗いて、『これいいね』とか、『こうしたらいいんじゃない?』っていうアドバイスをしています」  

  現在、事業所内では、利用者同士がそれぞれのスキルを持ち寄り、オリジナルゲームを開発中。プレーヤーを操作して邪魔をしてくる敵を避けながらカードを集めていくアクションゲームだそう。

 担当した2人は職業訓練が実を結び、4月からの働き先が内定。うれしい反面、就職前にゲームを完成させたい五十嵐さんは、進行が遅れているというゲームキャラクターの作成に発破をかけていた。

五十嵐「『このゲームは私がデザインしました』『このゲームは僕が作りました』『プログラミングしました』って言うことが就職への1つ1つの武器になるので、二人に関しては就職も決まっているんですけど。なのでこのプロジェクトに関しても、二人にはちょっと負荷をかけながら。マイペースな子なんでちょっとお尻叩かないと。でも障がい者施設って聞いて来てみて、『本当に障がいあるの?』って思いません?そうなんですよ。本当に普通なんですよ。ただ、ちょっと自分の抱えているものがあったりとかっていうことで。だからなんか障がい者を扱ってるっていう気持ちにならないですよね。本当にただ『就職を頑張って目指そう!』って応援する立場で見続けているので」

「“復帰したい”はない。福祉の仕事に携わった時点で、中途半端にやるつもりはない」
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