
「夏野菜の王様」と言われるトマトですが、実は春も旬なんです。
【画像】甘さがより際立つ春トマト シェフ「今が一番おいしい」
■春トマトの魅力

霜降りの黒毛和牛の隣には、より色鮮やかな“赤”。今、旬を迎えている「春トマト」です。
東京・京橋の日本料理店では、トマトと一緒に煮込んだ黒毛和牛の「トマトすき焼き」が人気です。
トマトといえば、夏野菜の王様とも呼ばれていますが、「甘さがより際立つのは春」だといいます。
京橋 婆娑羅 菅武敏料理長
「完熟しているので甘味が出て酸味が和らぐ。牛肉の甘みと相まってすごくおいしく仕上がっている」

水を使わずに割り下とトマトの水分で仕上げた、すき焼き。「黒毛和牛の甘み」と、「春トマトの甘み」が染み出た絶品コラボレーションに舌鼓。
60代
「うまい。甘い。とても甘い。トマトじゃないみたい」
■シェフ「今が一番おいしい」
イタリア料理でも、春トマトが大活躍です。

完熟トマトが丸ごと3個入った、イタリアの家庭料理・ポモドーロパスタに、大きなトマトにエビとホワイトソースを乗せたリゾット。
東京・池袋のトマト料理専門店では、すべてのメニューにトマトを使っています。

国産トマトに並々ならぬこだわりを見せるのは、トマトの帽子が似合う、ナイジェリア出身のシェフ・アモビさんです。
トマト・トマト・デ・ルーチェ アモビさん
「ナイジェリア出身だけどイタリアンをやっている。小さい時から本当にトマトが大好きで今も大好き。一番大きいのは北海道産。小さいのは熊本産。春のトマト、一年中で一番おいしい、間違いない。値段は去年に比べてちょっと安くなっている」
■旬の春トマト 夏との違いは?
栃木県で、春トマトを育てる農家の今井卓さんに聞きました。
JAしもつけ トマト部会 今井卓部会長
「夏のトマトはみずみずしいイメージがあると思うが、春のトマトは熟すまでに時間もかかっているし、日差しも強くなくてトマトにとって良い条件なので、味が一番おいしい時期のトマトになる」
春トマトと夏トマトの大きな違いは、実が熟すまでの期間にありました。

気温が高い夏は、開花からひと月ほどで熟すのに対して、寒い冬に育つ春トマトは、2カ月以上かけてゆっくりと育つため、夏トマトよりも味が濃く甘くなるといいます。
今井部会長
「糖度をはかると一年で2~4月あたりが一番高い糖度になる。かなり味は違いを感じる」
「赤い恋人」と名付け、ブランドトマトとして出荷しています。
■家庭でできる料理を伝授
甘い春トマトを使った、家庭でもできる料理は?

トマトを愛するアモビさんのおすすめは、「トマトドリア」です。
アモビさん
「簡単に家でも作れる。ホワイトソースと春のトマトを切って、ご飯と昆布茶とダシを混ぜて、トマトの酸味と甘さ、ホワイトソースのとろとろ。ばっちり間違いない」