
ミャンマー中部で発生した地震で、建物が倒壊するなどしてこれまでに140人以上の死者が出ています。隣国タイでも高層ビルが倒壊し、多くの人が生き埋めになっていて救助活動が続いています。
【画像】高層ビルから滝のように流れる水 プールは激しく波打つ ミャンマー地震、タイでも被害拡大
■ミャンマー大地震 死者140人超

ビルが倒壊し、周辺にいた作業員が慌てて逃げ出します。28日に東南アジアのミャンマー中部を襲った強い地震。震源の深さはおよそ10キロ。地震の規模を示すマグニチュードは7.7です。

中国メディアによりますと、震源地近くの町、マンダレーにあるモスクが礼拝中に倒壊。少なくとも10人が死亡したということです。

ミャンマーでは144人が死亡、732人が負傷しています。震源からおよそ1000キロ離れた隣国のタイでも、甚大な被害が出ました。

商業施設の人は一斉に避難しています。壁も所々割れていて、電話で話している人も多くいます。非常階段を使って次々と避難しています。地震が起きるのはかなり珍しいということで、みんな外に避難してきています。
首都バンコクでは建設中の建物が倒壊。この倒壊で7人が死亡。8人が負傷し、117人が行方不明となっています。

高層マンションにあるプールでは波しぶきが。他のビルでも水が滝のように流れ落ちる様子が確認できました。白昼に起きた大きな揺れ。現地タイの人は次のように話しました。
現地の人
「働いていた時にすごく揺れた」
「最初、何も考えていなかった。ただめまいを感じた。こんなこと(地震)が起きるなんて考えたことがない」
30日まで滞在予定だという日本人旅行客はこのように話しました。
日本人旅行客
「ホテルの20階にいてすごく揺れているなという感じ。気付いたら床がめっちゃこうなって(揺れて)いたから地震と思って階段で20階から下りた」

多くの人が屋外に逃げ出すなか、倒壊したビルの周辺は救助隊の車で埋め尽くされました。タイのペートンタン首相も現場に入り、救助隊と現地の状況を確認する様子も見えました。
周辺が暗くなる中で始まった救助活動。倒壊現場では、がれきを手で運んで撤去しています。
■専門家「長周期地震動の可能性」

そうしたなか、時間の経過と共に急増したのが帰宅困難者です。鉄道はすべて止まり、商業施設も閉まっているため、バンコクでは帰宅困難者のために公園が開放されました。
震源地から遠く離れたタイでも確認された甚大な被害。専門家は、今回の地震が、離れた場所でも揺れが長い時間続く「長周期地震動」だった可能性が高いと指摘します。

京都大学防災研究所 西村卓也教授
「長周期の揺れは距離が長くても、比較的遠くまで届きやすい性質がある。特に長周期地震動は大きな構造物、例えば高層建築とか、大きな橋と共振して被害を及ぼす。バンコクの周辺は大きな川の河口付近にある。地盤そのものもかなり緩いため、このような大きな揺れになった」
(「グッド!モーニング」2025年3月29日放送分より)
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