
政府が放出した備蓄米の販売が先週末から一部のスーパーで始まった。備蓄米は、どこで、いくらで売っているのだろうか。
■備蓄米の販売が一部のスーパーで開始

備蓄米を見かけた人
「店員さんがコメの品出しをされてて『これが備蓄米やって』っていうふうに言っていて。コメを積んでいらっしゃったんですね」
政府が放出した備蓄米の販売が一部のスーパーで始まった。SNSにも備蓄米が店頭に並んでいたという投稿が相次いだ。
SNS
「備蓄米売ってた」
「なんか少し安めの米があったんだけど、コレかな?備蓄米?」
値段は5キロ3000円台で販売。なかには売り切れた店舗もある。

備蓄米の販売開始について、話を聞いた街の人全員が「備蓄米を見たことがない」と答えた。
40代
「(Q.備蓄米をスーパーで見たことは?)いや、ないです。出回ってるんですか?ちょっと分からないです。見たことないです」
70代
「身近な感じじゃないです。(備蓄米が)出てきても、本当に自分たちが買えるかなと思います」
40代
「(Q.備蓄米をご覧になったことは?)実際ないです。どこにあるのか教えて!って」

実際に番組スタッフが勝どき駅周辺の半径500メートルのスーパーを回ってみると、備蓄米はなかなか見当たらず、5軒目のスーパーでようやく備蓄米が売られていた。パッケージには備蓄米の表記はなく、1家族1点限りで、5キロ税込み3651円で販売されていた。
番組が販売元に確認したところ、この銘柄で先月28日以降に販売されたものは備蓄米を使用しているという。
■6軒目で備蓄米発見 銘柄米より1000円安

消費経済アナリストの渡辺広明さんは先月28日、横浜市のスーパーで備蓄米を購入した。
渡辺さん
「朝8時半ぐらいから6店舗ぐらい回って1店舗やっと探しあてました」
「こちらに複数原料米と書いてある。精米日も3月下旬と書いてあるので、それで判断しました。税抜きで3380円(税込み3650円)。1家族1つまでという形なので1個しか買えなかったです」
スーパーで売られていた一般的なコメは5000円台が多かったというが、備蓄米は1000円以上安くなっていた。

渡辺さんが備蓄米を買ったスーパーでは、およそ1時間に4袋ほどが売れていたという。
渡辺さん
「通常のコメ売り場の斜め前に通路に積まれて置かれていました。久しぶりに3000円台のコメが買えた。安いから買おうかなってお客さんがいました」
■ローカルスーパーは苦肉のコメ特売…20分で完売

一方、埼玉県のスーパーでは一般的な銘柄米は売っているが、備蓄米は売っていない。
備蓄米は大手スーパーで販売されているとみられ、このローカルスーパーでは、今後も備蓄米が入ってくる予定はないという。

埼玉県産の彩のかがやきは5キロ税込み4418円で、茨城県産のこしひかりは税込み4634円と依然高止まりが続いている。
50代
「(Q.コメの値段どうですか?)ちょっと高いかなっていう感じがします。今まで安い時1700円とかで買ってたので、ちょっと手が出ない」
70代
「きょう見て、それなりの値段だったら買おうかなと思うんだけど、4490円って。無理です。我が家の財力じゃ」

コメの購入を決めた男性は…。
80代
「(Q.手に取ったのはどの銘柄?)あきたこまち」
「本当は(税込み5282円のゆめぴりかを)買いたかったの。でも値段が500円ぐらい違うでしょ。しょうがないから、あきたこまち」

コメの値段を見て諦めて帰る客も多いなか、この日、スーパーが行ったのは地元、埼玉県産のコメを5キロ税込み3986円で数量限定の特別販売。
店内アナウンス
「当店では備蓄米が入る予定はございません。なかなか安くならないコメ、少しでもなんとか仕入れることができるものに関しては、お安くご提供となります」
20袋用意したが、わずか20分で完売した。
特売のコメ購入者
「あっち(特売以外のコメ)から見ると安いですよね」
スーパーマルサン 越谷花田店 八木栄樹店長
「去年の10月は平均して3500円とか高いと3800円ぐらいだったのが、今年に入ってからは3800円から4000円、4500円ぐらいになるスピードが速すぎて、僕たちも価格がいくらだったっけ?って思うぐらいになっちゃってる」

去年の秋以降も高騰し続けるコメの価格。一部の大手スーパーで備蓄米の販売が始まったことについては…。
八木店長
「マルサンにも入ってきてもらいたいなって思いはあるんですけれど。結論から言うと、備蓄米がみんな欲しいというよりも価格3500円とか3000円ぐらいのコメが欲しい思いなのかなという気持ちです。だから結局相場が下がれば、備蓄米だろうが、みんなが買える価格になればいいなっていう思いです」
■コメの在庫調査発表 農水省

江藤拓農林水産大臣
「生産者と中小の集荷業者、卸売業者の調査について結果がまとめられましたのでご報告いたします」
農水省はコメの価格高騰の要因としていた流通上のいわゆる「消えたコメ」について、およそ1600の生産者や卸売業者などに対して調査。

江藤農水大臣
「生産者の在庫も9万トン増加となっております。中小の集荷業者、卸売業者の在庫につきましては卸売段階で3万トンの増加。小売り業者、中食外食業者のところに分散して7万トン程度、前年よりも多く在庫されていると思われます」
生産者、卸売業者、小売り業者などで前年よりコメの在庫が積み増され、その量は19万トンに上るとした。

江藤農水大臣
「今後の政府備蓄米の売り渡しにつきましては、不安感の払拭にいたっていないというふうに私が判断した場合には、さらなる対応をちゅうちょなく行っていきたい」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年4月1日放送分より)
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