
フジテレビの一連の問題に対する第三者委員会の報告書を受け、被害にあった元女性アナウンサーがコメントを発表しました。
【画像】元アナウンサー「やり切れない」第三者委の報告受けコメント スポンサーの反応は

Aさんのコメント
「昨年12月に本事案が週刊誌等で報道されてから、ネット上などで事実でないことを言われたり、ひどい誹謗中傷をされたりすることが続いていたので、昨日、第三者委員会の調査報告書が公表されて、その見解が示され、ほっとしたというのが正直な気持ちです。他方で、本事案後の中居氏と編成部長であったB氏とのやりとりや、フジテレビの当時の港社長らの対応など、この調査報告書で初めて知った事実も多く、改めて、やり切れない気持ちにもなっています。私が受けた被害は一生消えることはなく、失ったものが戻ってくることはありません。このようなことがメディア・エンターテインメント業界だけでなく、社会全体から無くなることを心から望みます」
第三者委員会の調査で明らかになったフジテレビの人権意識が低い企業風土。“ハラスメントに寛容”など厳しい指摘がありました。その後行われた会見で清水社長は、社内の制度や風土についての改革実行を明言しました。

フジテレビ 清水賢治社長(3月31日)
「私たちはハラスメントに限らず、当社を取り巻く、あらゆる人権リスクに真摯に向き合い、ステークホルダーの皆さんに不断の努力を通じて変わっていくフジテレビの姿をお見せしていくことを約束します」
社外取締役を務める文化放送の齋藤社長は1日、こう述べました。

フジテレビ社外取締役 文化放送 齋藤清人社長
「まさに、きょう4月から新体制。新体制になったから、すぐに結論が出る性質のものではない。視聴者やスポンサーにきっちり届けることが大切。丁寧に一つずつ継続していくしか、道はないと思う」
CMを差し止めた企業の社員は、こう話します。

CM差し止め企業の社員
「不祥事の次元が違った。想定をはるかに上回った。あんな不祥事が明らかになったうえで再開できるわけがない。うちでは、少なくとも3カ月以上はかかるだろう」
◆第三者委員会の報告書やフジテレビの会見を、スポンサーはどのように受け止めたのでしょうか。
フジテレビでは、311社(1月末時点)がCMを差し止めています。テレビ朝日は、そのうち58社の企業・グループにアンケートを依頼しました。1日午前中に依頼して、夜までというタイトな時間のなか、53社から回答をいただきました。

質問は2つ。
Q.第三者委員会の報告書やフジテレビの会見をどう受け止めましたか。
Q.CM差し止めの判断に変更はありますか。
フジテレビの会見について。

味の素
「再生・改革ロードマップが具体的な策と共に提示、説明されたことを評価します。今後、このロードマップが機能し定着されることを期待します」
報告書について。
A社
「想定よりも詳細な内容が記載されており、本事案・FMH(フジ・メディアHD)のコンプライアンスに関する実態が明らかになったことは評価できる」
一方で、フジテレビに対して厳しい意見もありました。

B社
「明らかになった事実が、想定以上にひどい内容だった。3月31日の結果をもって、直ちに信頼を回復したとは言い難い」
C社
「フジテレビにおけるガバナンス機能不全や社内風土にも問題があり、被害拡大の一因になっていた」
D社
「被害女性への重大な人権侵害やフジテレビのガバナンス不全が結論付けられた」

テレビ朝日では、1月末にフジテレビが会見を行った後も企業へのアンケートを行っていて、CMの再開については、約3分の2の企業・グループが『今後の調査次第』との考えを示していました。
3月31日の報告書や会見を受けて、どう変化したのでしょうか。

花王
「花王は、花王人権方針にのっとり、いかなる人権侵害も容認しません。調査結果を重く受け止めており、広告再開は今後、フジテレビによる再発防止策の具体性と実行性を確認したうえで、慎重に判断してまいります」

味の素
「再開については現在未定です。出稿再開については、1.人権の取り組み、2.適切なガバナンスの構築と運用などを含む『味の素グループポリシー』に沿って、総合的に判断いたします」

日本生命
「ガバナンス上の問題が解消されるとともに、当社の人権方針に照らした懸念が払拭されるような状態になったと判断されれば、CM出稿の再開を検討するものと考えている」

E社
「4月もCM休止を継続する予定です。再開については、今後の事態の推移を踏まえて、総合的に判断していきます」
F社
「当社のブランドイメージ向上に資すると判断できる環境になれば、新規の広告出稿を検討する」

回答が来た企業・グループ53社のうち、『すぐにCM再開』としたのはゼロ。50社が“再開は未定”
“慎重に判断する”としています。