
「トランプ関税」の影響で7日の日経平均株価は一時、2900円以上の下落となりました。私たちの暮らしへの影響は?専門家は「円高によるメリットもある」と話しています。
■歴代3番目の株急落

一時3000円近く値を下げる展開となった日経平均株価。
経営者 70代
「異常だよね。持っている株は塩漬けで上がるまで待つしかない」
経営者 40代
「特に今の関税の影響、でかいですね。午前中の時点では50~60万円は一日で減っている」
今は我慢の時なのか。利益が出た時、何をしたいか聞くと…。
経営者 40代
「1回ぐらい大谷選手の試合、生で見たいですよね」
証券会社には、心配する顧客からの問い合わせが…。

岩井コスモ証券 担当者
「お持ちのほうで上がっている銘柄は…。ちょっと残念ながら、きょうは全部下がってますね」
7日の終値の下落幅は2644円、過去3番目の大きさとなりました。

これまで堅調に推移していた日経平均ですが、先月28日からおよそ6000円も値を下げていて、投資している人の心境は複雑です。
パート従業員 60代
「ちょっとずつ上がっているので、何かできるかなと思っていたところでこの状況。やっぱりちょっと難しいんだなと思ったりはしてるんですけども、(資金が)半分とかになっちゃったらどうしようと、そのくらいの不安はある」
介護施設を運営している50代の男性です。生活に影響が出ない余剰資金で株に投資。利益が出ると家族旅行に出かけているといいます。
介護施設運営 50代
「今は損切りもできないし、市場が落ち着くのを待つしかないかなと思っている。(下落は)一時的なものかなと思っています。それよりもいい株が買いかなと思っているので、逆にそっちを狙ってますけどね」
■マーケット大混乱 暮らしにどう影響?
株式市場の混乱の理由について、専門家はこう見ています。

エコノミスト 崔真淑さん
「(トランプ関税の影響が)まったく想像がつかないというところが怖いところになっていて、株式市場が大きく下落している背景にもあると思う。最短で3カ月、できれば年内に関税を少しでも下げられるとなれば、ネガティブな影響が短期間で収束する可能性もあります」
そのうえで、国民生活に影響が出やすいのは、トランプ関税で円高に動いている為替の動向だとみています。

崔さん
「トランプ関税の動きによって為替が円安になったり円高になったりと本当に乱高下している状況。一時的に円高になることで、例えば小麦であるとか輸入品に頼っているような乳製品、その他家具といったもの安くなる可能性はあると思う」
「円高の局面によって石油・ガスが買いやすくなる。そうすると私たちのインフラ光熱費が相対的に今より安くなる可能性はあると思う。しかしこの関税の状況が長期間で続けば、そもそもの私たちの給料が減ってしまう可能性が高くなる。なので円高効果で安くなっても、給料が減ってしまっては意味がない、ということになりかねない」
円高が続けば、円安の恩恵を受けていた製造業を中心に賃上げが難しくなるとみています。

先週末、ダウ平均が過去3番目の下げ幅となるなか、トランプ大統領はこの週末、マイアミで行われたゴルフ大会に出場。シニア部門で決勝ラウンドに進み、ゴルフざんまいです。
世界のマーケットが混乱している状況については…。

トランプ大統領
「株式市場で何が起こるか分かりませんが、アメリカは強い国になり、経済的に世界で最も優位な国になるでしょう。株価は下がってほしくはないが、何かを治すためには薬を飲むことも必要だ。いずれ状況はよくなり我々は強い国になるでしょう」
対米黒字貿易国にアメリカの富を搾取され続けてきたと主張するトランプ大統領。貿易赤字の解消には関税が不可欠だとして、方針を見直す考えがないことを強調しました。
日本への追加関税の発動は9日。対応が急がれます。

石破茂総理大臣
「なるべく早く訪米もしたいと思っておりますが、その時に『よろしくお願いします』ということだけ言っても仕方がない。じゃあ一体、何をどうするのだということをきちんとパッケージにした形で持っていかなければなりませんし、我が日本国は不公正なことはやっていない。フェアでないことはやっていないということを、きちんと言わなければならないと思っております」

トランプ政権の高官によると、相互関税を発表して以降、50カ国以上から交渉の申し出があったとのこと。そんななか、石破総理は7日夜にもトランプ大統領と電話会談を行う方向で調整しています。