
アメリカのトランプ政権は、相互関税の対象からスマートフォンなどを除外すると表明しました。中国で生産されているiPhone(アイフォーン)などの値上がりを回避し、アメリカ国内の消費者の反発を抑える狙いとみられます。
【画像】「習氏は優れた指導者」関税を巡る交渉に意欲を見せるトランプ大統領
■トランプ氏、中国と交渉意欲
いつになく上機嫌なトランプ大統領。

トランプ大統領(78)
「心臓の検査をいろいろ受けました。認知テストでも全問正解でした」
フロリダに向かう専用機の中で健康状態の良好さをアピール。しかし、笑顔の理由は健康診断の結果だけではないようです。
トランプ大統領
「中国から、何らかの良い結果が得られるでしょう」
「トランプ関税」を巡る米中間の報復合戦に、変化の兆しが見えてきたのです。
これまで中国は…。
中国・外務省
「アメリカの報復関税は、国際貿易のルールに違反している」
強気の姿勢を崩さず、習近平国家主席もこう釘を刺しました。

習近平国家主席(71)
「関税戦争には勝者はいない。世界と対立し、自国が孤立することになる」

米中は報復に報復を重ね、現在、トランプ政権が中国からの輸入品に145%まで関税を課す一方、中国政府もアメリカに対し、125%の関税を課している状態です。
しかし、11日になって中国の態度が変化。「今後、アメリカが関税を引き上げても関税戦争には応じない」と述べ、さらなる税率の引き上げは行わないことを示唆したのです。
トランプ大統領
「習近平国家主席とはいつも仲良くやってきました。非常に良い関係です」

さらに「中国は素晴らしい国で、優れた指導者がいる」と持ち上げ、関税を巡る中国との交渉に意欲を見せました。
また、日本をふくむ各国との協議については「アメリカは非常に良い立場にあると思う」と自信を見せました。
■iPhone値上がり回避か

先の読めない米中の関税合戦。大きな影響を受けそうな商品がiPhoneです。駆け込み需要からか、マンハッタンにあるアップルストアには平日にもかかわらず、続々と人が入っていきます。
実は、アメリカに流通するiPhoneの80%が中国で生産されていると推測され、関税により、大幅な値上がりが予想されています。
購入した客
「1台は自分用に、もう1台は兄弟のために2台買いました。関税発動前の値段で買いたかったんです」

最上位機種のアップルストアでの価格は1199ドルですが、ある試算によれば、関税を適用すると2300ドル。日本円でおよそ33万円になるとしています。
しかし、急転直下、トランプ政権が方針を転換したことが日本時間の12日夜、分かりました。

相互関税の対象からスマートフォンやパソコン、その他の電子機器などを除外すると表明したのです。
iPhoneなどの大幅な値上がりを回避し、消費者の反発を抑える狙いがあるとみられます。
トランプ関税に関する、日本政府の対応が注目されます。

赤沢経済再生担当大臣は、16日から3日間の日程でアメリカを訪問。ベッセント財務長官や、USTR=アメリカ通商代表部のグリア代表との初めての日米交渉に臨む予定です。
(「グッド!モーニング」2025年4月13日放送分より)
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