
価格高騰が続くコメはふるさと納税の返礼品としても人気です。しかし、寄付が殺到し、在庫が確保できず、利用者に発送できない自治体が相次いでいます。
■「発送ができない」新米か返金で対応

江藤拓農水大臣
「特に中小の方々(スーパーや小売店)からは、(備蓄米が出回るのは)早くて4月の末、5月になってしまうかもしれないという率直なお声もいただきました」
備蓄米の放出から、およそ1カ月。コメの価格高騰が収まる気配はありません。

コメ5キロの平均価格は、去年の同時期より2倍以上高い4214円で、14週連続最高値を更新しています。コメ不足の影響は、こんなところにも…。

茨城県坂東市
「ふるさと納税につきましては、返礼品の申し込みが急増するなかで、適時に有効な対応を講じることができず、在庫を大幅に超えるお申し込みを受け付けてしまいました」
茨城県坂東市が、ふるさと納税の返礼品のコメについて在庫以上の寄付を受け付けたため、発送ができない事態に陥っていることが分かりました。

不足しているコメは、2024年産の冬眠米5キロ。実質2000円の負担でコメ5キロがもらえる割安感や、真空パックで保存が効くことなどが人気を集めたとみられます。坂東市は代替品として今年秋の新米を送るか、返金するなどして対応する考えです。
■コメどころの返礼品 去年の8倍以上
返礼品のコメを巡る争奪戦は、米どころの新潟県でも起きています。

南魚沼市 U&Iときめき課 齋藤昌宏主任
「これほど在庫がなくて返礼品、寄付を受け付けることができない、そのような状況にまでなったことは多分なかったと思う」

2017年からふるさと納税に参加している南魚沼市。コメが返礼品のおよそ8割を占めています。24年度産のコメがもらえる寄付の受け付けは早くもほとんどが終了。そのため、今月1日から受け付けを始めた返礼品には、25年度産の新米を用意する事態となっています。
齋藤主任
「令和7年4月1日の日付ですと、(寄付は)約600件で5000万円くらい。おコメの在庫がなく新米予約ということだが、それでもその先の分を確保しておきたいという気持ちの表れなのかなと思う」

去年の4月1日の寄付件数は184件で、寄付額は590万円。今年は、去年の8倍以上の寄付が殺到している状況です。

齋藤主任
「どれほど寄付が来るかと気にはなっていたが、ふたを開けてみると、前年に比べて1桁違ったので、驚いたところではありました」

日本がコメ不足で揺れるなか、お隣・韓国のソウル市内のマート(販売店)では、コメ10キロでおよそ3000円、日本の半額以下で売られています。日本人観光客からは驚きの声が聞かれました。

日本人観光客
「旅行に来たのに、家計のことを考えて買って帰ろうかなと。(家族に)コメが日本の前の価格で売っているというのを連絡した。この価格が妥当だよなと思いました。主食だから」
政府は今後の備蓄米の放出について、全国に均等に行き渡るよう対応を検討していく考えです。
(「グッド!モーニング」2025年4月16日放送分より)
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