■当たらなかった「426地震説」なぜ広まった?
今回、ネットを中心に拡散した「426地震説」。結果は、過去にいくつもあった予言と同様に当たることはなかったが、それでも26日に東京に行くのを控えようとする人も現れ、海外の一部ではメディアにも取り上げられ、日本旅行を見合わせた外国人も出たという。噂やデマなど根拠不明情報の拡散問題に詳しい日本大学危機管理学部教授・福田充氏は「予知、予言に科学的根拠はない。その度に外れているのに、毎回みんな盛り上がるのは、祭りとしてみんな参加したい、盛り上がりたい、何かワクワクしたいという社会心理があるから」と分析。さらに「東大の地震研究所でも『地震の予知はできない』と断言し、諦めている状況。本当に予言が当たるなら出してほしいし、もっと早く東日本大震災や能登半島地震の前に言ってほしかったが、そんなことを言った人は誰一人いなかった」と述べた。
過去には、世界の終末を予言するようなものも多く見られたが、それらもまた当たっていない。ただし、この予言が広まる、さらには信じる人が出ることこそ、大きな問題につながると福田氏は指摘する。「基本的に多いのは、やはり大災害や地震というもの。ネットでちょっと盛り上がるぐらいだと大きな社会的混乱、不安には至ってないので、そこは日本人のリテラシー、教養の高さが現れている。ただし陰謀論やフェイクニュースみたいなものと結びつくことで、ネットではもっと深刻化していく。カルト宗教や霊感商法みたいなものとも結びつき、騙されていく人たちがどんどん不幸になる」と注意喚起した。
今回の予言に乗じて、防災の意識を高めようという動きもあったが、これに対しても福田氏は警戒心を緩めない。「恐怖を与えて、信じさせて、説得して操るというのはカルト宗教や霊感商法の手法。無意味に社会不安を高めるだけで、社会混乱にも結びつきやすい。これが社会的教育に結びつく可能性もあるが、結局何も起こらなかったということになると、もう騙されるのをやめようと、次の(本当の)警報にも『釣られないぞ』と、オオカミ少年効果みたいなものが発生する」と、逆効果にすらなり得るとした。
■あいまいなものほど広まりやすい情報
