■あいまいなものほど広まりやすい情報

噂はなぜ広がる?
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 噂の広まりについては、心理学者が示した法則がある。アメリカの心理学者であるオルポートとポストマンは「デマの心理学」という共著を1952年に出している。この2人による「噂の法則」は、噂の流布量(Rumor)≒重要度(Importance)×あいまいさ(Ambiguity)というものだ。福田氏は「SNSの時代なので、ここで噂は拡散していくが、この法則では噂の広がり方は重要度×あいまいさと言っている。重要であるほど広がるが、あいまいで怪しければ怪しいほど広まる」と補足した。またマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究では、Twitter(現X)上で伝わるスピードは、正しい情報よりも虚偽情報の方がはるかに速いとも発表している。福田氏は改めて「ウソだとわかっていても、絶対に本当だと思っていても広げない」とし、ウソまたは真実であるものは重要度以上は広まらないが、あいまいなものほど広まりやすい危険性を説いていた。

 なお、過去に首都直下地震は1703年12月、元禄関東地震(M8.2)から数えて、1923年9月の関東大震災(M7.9)まで、220年に8回発生。単純計算で、27.5年に1回の割合で、大地震が起きている。政府発表では「首都及びその周辺地域や直下で発生するマグニチュード7クラスの地震及び相模トラフ沿い等で発生するマグニチュード8クラスの海溝型地震」については、今後30年以内に70%の確率で発生するとされている。根拠としては、過去の地震発生状況をもとに地震学で用いられる将来予測の計算式「ポアゾン分布」を用いて算出。日本地震予知学会会長の長尾年恭氏は「数日~数カ月前の地震予測は困難」とした上で「マグニチュード8級の地震直前に共通する現象は明らかに」なっており、「今後10年以内に数十分以内の巨大地震発生がわかる可能性が高い」としている。
(『ABEMA Prime』より)
 

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