【明治安田J1リーグ】FC東京 3-0 ガンバ大阪(4月25日/国立競技場)
際どい判定によるゴール取り消しが、SNS上で物議を醸している。ガンバ大阪のFWイッサム・ジェバリがFC東京戦で美しいループシュートを決めたが、ラストパスを出したDF半田陸のポジショニングが紙一重なものだったからだ。
G大阪はJ1リーグ第12節でFC東京と対戦。スコアレスで迎えた22分に“際どいシーン”を迎えた。
MF鈴木徳真がセンターサークル内から縦の鋭いパスを供給。高い位置へ上がっていた右SBの半田が上手く抜け出すと、胸でコントロールしてボックス内に進入してマイナス方向のパスを送る。これを受けたジェバリは、相手GK野澤大志ブランドンの頭上を抜く見事なループシュートでネットを揺らした。
G大阪の選手がゴールの喜びを分かち合っている横で、飯田淳平主審はVAR担当と交信。オフサイドの可能性を確認するため、OFR(オン・フィールド・レビュー)へと向かった。レフェリーが注目したのは、半田のロングパスに対する抜け出しではなく、その後のプレーだった。解説の橋本英郎氏が「ここのブロックですかね。ここで(DF安斎颯馬が)ゴールカバーに行けなかったのか」とラストパスを出した後のポジショニングについて言及。半田がオフサイド・ポジションで安斎の進行を妨害したのであれば、プレーに関与したと見なされオフサイド判定になる可能性を伝えた。
別アングルからのレビューを見たゲスト解説の石川直宏氏は「この勢いで(安斎)が全力で戻って間に合うかどうかですよね」とコメントをし、橋本氏からは「あそこにオーバーヘッドで足を持っていったら(触れたかもしれない)。このままの勢いでゴールに向かっていったら間に合わないわけではないですけど、ただ(シュートの)高さ的には難しい」と見解を述べた。さらに橋本氏は、「半田選手にブロックする意思があったかも見られていそうですね」と続けた。
確認を終えた飯田主審は、ゴール取り消しのジェスチャー。実況の桑原学氏が「オフサイドポジションにいた攻撃側の競技者が守備側競技者にインパクトを与え、クリアの邪魔をしてしまったということですね」と状況をまとめ、「これ、どうですかね。かなりデリケートなジャッジですね。白黒がはっきりしない、どちらとも言えるジャッジ」と述べていた。
ジェバリや半田、さらにはG大阪のダニエル・ポヤトス監督は抗議。しかし、もちろん判定は覆らなかった。この判定に、G大阪のサポーターは困惑。SNSでは「半田はどう動けば正解だったんですか」「酷すぎる。試合と信用を壊したな」「何回見てもイライラするわ。ふざけんなマジで」「これがオフサイドならサッカー面白くない。半田選手はパスした流れで動いただけで何の邪魔もしてない」「半田はパス出した瞬間、その場から瞬間的に消えたら良いんか?」「なんでやねん」など不満の声が上がった。
一方で、「オフサイドポジションに選手がいて、ディフェンダーの進路を塞いでいるから、プレイに関与しているという判定も納得できる」「どう見ても追いついてるし邪魔されてる」「微妙な事象ではあるけど誤審ではないですね。ルールに則ってオフサイドの判定を下してるだけなので、責める相手はレフェリーじゃなくてルール」「この判定はムズいよな…。でもオフサイドにあたるんだよな」など判定を支持する声も上がっており、物議を醸している。
G大阪が86分に先制点を許すと90分、90+4分にも失点を喫して0-3で敗戦。ポヤトス監督は試合後のフラッシュインタビューで、「痛い敗戦になった。決定力を欠いた。ただ、僕らのゴールが取り消されたのは、どうだったかなと個人的には思う」と悔しさを滲ませた。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)