■支持される背景に“社会の分断”?
大阪大教授の吉川徹氏は、りりちゃんが支持される背景に、「若い女性にすり寄る“オジサン”から巧みにお金を奪い取り、胸がすく思い」と「若い女性と被害に遭う人の間に、“社会の分断”がある」と予測する。
“社会の分断”について、イギリスの童話『ジャックと豆の木』を例に、「ジャックが辛い生活を送ってるが、天の上に登る大きな豆の木を得る。それで行き来して、天上の巨人が住む城に忍び込んで、金銀財宝を持って、下の世界に降りる。これって下の世界から見ると、ジャックは不遇な状況から、勇気と才覚で一発逆転したヒーロー。巨人側から見ると、住居不法侵入。どちらから見るかによって、ヒーロー、加害者になるのかが全然違ってくる。この話の構造と同じようなことが、今回の背景にあるんじゃないか」と説明した。
そもそも共感することのリスクは、「加害者の行動を正当化」「被害者の感情を軽視」「二次犯罪への懸念」があるという。さらに「(りりちゃんに使われてる)信奉者という言葉は、かわいそうって言ってるわけではない。こういう風に評価されるのは、りりちゃん個人で考えると、ネット上で本人が拡散しようとするとか、マニュアルを販売するのは、承認欲求が背後にあると思う。それを承認してあげるような動きになるのは、共感から始まることだとしても危険で、反省に至らないと思う」と述べた。
ぺこぱの松陰寺太勇は、「加害者の方に『実はこういう過去があった』っていうのは、視聴者に誤解を与えるリスクがあると思ってる。 例えば山上徹也被告の事件にしても、その後すぐ映画ができたりして、どこかで被害者を置き去りにしてないかと感じる。加害者の裏でこういうストーリーがあったんだってフォーカスするのも非常に危険なんじゃないか」との見方を示した。
(『ABEMA Prime』より)
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