黒いシルエットから、まるで特撮映画のモンスター登場のような物々しいテーマ曲とともに姿を現したルセフ。クリスティアーノ・ロナウドのゴールパフォーマンスを彷彿させるポーズから雄叫びを上げ、シャツを破って“怪物感”をたっぷりと醸し出しての入場は、すでにただならぬ空気を放っていた。150キロ(オーティス)vs 122.5キロ(ルセフ)と重量では劣るが、鎧のように仕上がった筋肉ボディに、ABEMAのWWE解説・堀江ガンツも「以前よりも上半身がたくましく、ギュッと絞れている」と、その変貌ぶりに驚いた様子だ。
ルセフのパワーは序盤から際立ち、ロックアップでも怪力のオーティスと互角。体重を乗せたオーティスのぶつかりにも一切怯まず、ロープに飛んでの「フライング・ニールキック」に会場からどよめきが起きる。そのキックは、まさに“ヤバい”の一言で、鋭く、速く、しかも重く、オーティスは半失神状態。ファンも「動きが美しすぎる、鋭くて素早い」「前田日明みたいだ」「珍しい技だ」と、興奮を隠せない。
このインパクトあるシーンで、この日一番のリアクションを見せたのがオーティスや戸澤陽ら“アルファ・アカデミー”の紅一点のユニットメンバーであるマキシン・デュプリ。
この日のマキシンは、真紅の水着風の面積少なめ衣装にミニスカート、上からはスタジャンという大胆スタイルで登場。この野獣まみれの空間ではヒロインのような存在感で、「マキシン可愛いな」「マキシン、ほんまええ女やなぁ」「すごい格好している」「マキシンたまらん」と、ファンの視線とハートを一気に奪っていたが、ルセフのキックの迫力には、彼女も「ウソでしょ…」と口をあんぐり。パワーとスピードに圧倒されるオーティスの姿に、ショックを隠しきれない様子が“出戻りパワーファイター”のヤバさを物語っていた。
オーティスも、場外でテーブル席にぶん投げるスープレックスで反撃する場面はあったが、終盤は完全にルセフの独壇場。マチカ・キックからのアコレード(キャメルクラッチ)でタップアウトを奪い、試合後も戸澤陽やオーティスに容赦ない攻撃を継続。セキュリティが介入してもなおアコレードを極め、ヒールとしての存在感を改めて見せつけた。(ABEMA/WWE『RAW』)
この記事の画像一覧


