■相談件数2万件から重大な1件は防げるか

事件の経緯
拡大する

 2024年の1年間でストーカー相談件数は1万9567件にものぼった。そのうちストーカー規制法違反で検挙されたのは1338件。刑法犯等で検挙されたのが1742件。佐々木氏は「口頭注意も1万2000件やっていて、それでストーカーが止まるということもある」という。また約2万件という膨大な相談件数の中で「警察に相談するとストーカーが逆上して大きな事案になると思われがちだが、毎年殺人にまで発展するのは1件あるかないか」とも明かした。大きな事件が起きたことで警察に非難の声が殺到しているが、この2万件という相談件数と、その対応についてどう考えるか。

 EXIT兼近大樹は「こういう事件を警察の責任にして終わってはダメ。警察だけのせいにしても、警察は増えないし労働時間も増えていない。2万件もあるのに全部踏み込んで捜査していたら、警察の負担がめちゃくちゃ大きい」と指摘する。佐々木氏も「警察の限界はある。2万件のうち(殺人につながる)1件を防ぐために警察が何をすべきなのか。例えば電車で無差別事件が起きたとして、それを防ぐために何ができるのか。全部の駅で持ち物検査をするとして、それが今の日本の犯罪の中で合理性があるとは思えない。2万件の1件を防ぐための検証は絶対にすべきだが、同じような内容があった時にベストな判断ができるかは、かなり難しい」。

 それでも警察は、相談を受けた警察官が主観で判断することでのミスを防ぐために本部への報告を義務化。GPSの貸し出しなども行っている。佐々木氏は「こういう報道があると、警察はストーカー相談を受けてくれないとなるが、統計を見ても相談を受けて解決している数の方が圧倒的に多い。相談をして申し出をすることで、警察ができることも増える。何かあったら一度、警察には相談してもらいたいということは、声を大にして言いたい」と呼びかけていた。
(『ABEMA Prime』より)
 

この記事の画像一覧
川崎遺棄事件 ストーカー対応 警察に批判も
川崎遺棄事件 ストーカー対応 警察に批判も
この記事の写真をみる(5枚)