2023年のミニフライ級タイトル獲得を皮切りに、フライ級挑戦やOFG戦など、常に挑戦を続けRISE女子の象徴的存在となってきた小林と、アマチュアボクシングで培ったテクニックと精神力を武器に、プロ転向後、怒涛の5連勝でランキング1位に駆け上がった新星・宮本。ともにパンチを得意とする両者の一戦は、試合前から大きな注目を集めていた。

 試合開始とともに序盤から両者は距離を詰めてパンチの応酬。小林は得意の右ストレートを軸に前進し、宮本は蹴りを主体に、冷静なジャブとフットワークで応戦する。2ラウンド、小林が強烈な右で宮本からダウンを奪い、追い込む。脳が揺れ、大きなダメージを負いながらもなんとかラウンドを終えたが、ジャッジ3人がともに「10(小林)-8(宮本)」をつけ、宮本は追い込まれる展開となった。

 しかし3ラウンド以降は、宮本が手数で上回り、徐々に主導権を握り始める。距離を取りながら積極的に遠距離からミドルキックを多用。小林の強打を被弾しながらも、このラウンドを取り返した。

 続く4ラウンド、5ラウンドは、両者とも消耗しながらも意地のぶつかり合い。最後まで一歩も引かない攻防が続く。4ラウンド序盤の打ち合いで宮本が小林から奪ったフラッシュ気味のダウンは認められなかったが、その後もじっくりと距離を保ちつつ、近距離では左ヒザや左右のカーフキックで削るなど、積極的な攻めを見せた。5ラウンド、小林も猛攻を見せて着実にパンチを当てていたように見えたが、判定は1人が小林、1人が宮本を支持、3人目のジャッジがドローとし、三者三様の結果により延長ラウンドへ突入した。

 5ラウンド・15分間の壮絶な打ち合いの代償は大きく、コーナーへ戻った宮本の額には大きなたんこぶができるほどのダメージ。ファンも思わず「たんこぶできてる」「デコが…」と声を上げる中、延長ラウンドがスタートした。

 延長ラウンド序盤も、顔面への被弾が顕著な宮本に対し、ABEMAの実況・小出アキラアナウンサーも「ボッコリとたんこぶができてますね…被せ気味にストレートが当たっている証拠です」とその壮絶さを伝える。その間にも、宮本の額の腫れがみるみる膨張していく様子に「ツノが生えた」「すげえ腫れてるな」や、「ほぼOFGやん」と、ダメージの大きさに驚く声が飛び交った。

 両者ともフルスイングが空振りになったり、蹴りが空を切る場面が増える中、宮本は小林の強打を警戒しつつ、細かいパンチとローでポイントを重ねる。残り30秒、小林が全力で反撃に出るが、宮本は鼻血を出しながらも気力を振り絞り、手数で応戦し延長ラウンドを終えた。

 試合後の宮本は、鼻血と唇のカットという壮絶な姿で激闘を物語っていた。小出アナウンサーが「うわぁ…ご覧のように」と声を上げると、解説の一馬も「女子のタイトルマッチとは思えない激しさ。見たことない、こんな死闘、女子の格闘技で…」と驚きを漏らし、小出アナも「血みどろです!」と叫んだあと、「(時代的に)男女で分けるのは良くないかもしれませんが、けど凄い!」と、その壮絶さを振り返った。

 延長判定は、3人のジャッジがいずれも10-9で宮本を支持。延長判定3-0で勝利し、プロ6戦無敗で新王者に輝いた。ファンの間では、序盤に早々とダウンを奪って優勢に試合を進めた小林を支持する声もあったが、後半で着実にポイントを重ねて追いついた宮本を評価する声も多く、意見は半々。「逆転勝ちか、凄いな」「無敗で王者」「ローキックの印象も良かった」「手数で勝った」など、壮絶な試合を制した新王者への賛辞が続いていた。

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