■精神科・心療内科も予約取れず…
症状も強くなり、医療機関にアクセスしようと試みたミカさんだが、ここでも苦労する。精神科・心療内科に診てもらおうと連絡をしたが「初診は3カ月待ちだと言われた」。さらに1カ月待ちのところでも「授乳中だと薬が出せないので、うちでできることはないと言われたこともある」という。
結果、遠方の病院でようやく受診できたのが産後から7カ月後。症状の重さから即日入院することになった。子どもと離れることに抵抗があったミカさんだが主治医から「子どもを養護施設に預けてでもいいから離れないとダメと、グサッと言われた。病気の意識を持って離れることが治療になるし、子どもを守ることになると言われて納得した」。
入院中は、ひたすらに十分な睡眠と食事を取り、体を回復させた。さらに子どもとの適切な距離を学び、他人の力を借りながら自分が子どもとかかわらない時間をすごく意識することを続けることで、徐々に回復へと向かっていった。
産後うつに詳しい産婦人科の高尾美穂氏は、精神科医や心療内科でなかなか診察が受けられなかった際には、産婦人科へ行って一度相談してみることを推奨する。「授乳中は薬が使えないという定型文も、産後の時期は外さないといけない。お母さんの安全、赤ちゃんの安全を最優先だと考えたら、母乳を終わらせてでも必要な投薬をする。その選択肢を精神科医の先生ができないのであれば、産婦人科の先生と精神科の先生が一緒にその方を診察する『併診』ができるといい」。
(『ABEMA Prime』より)

