【明治安田J1リーグ】浦和レッズ 3ー2 FC東京(5月17日/埼玉スタジアム2002)
J1リーグ第17節の浦和レッズ対FC東京で、物議を醸すゴールが生まれた。右サイドからのクロスを浦和のDFダニーロ・ボザがヘディングシュートで決めたかと思いきや、最終的にMF松本泰志に当たってゴールイン。オフサイドとハンドを巡ってVARが二度発動する際どいシーンとなり、SNSで話題になっている。
浦和の1点ビハインドで迎えた80分だった。CKのこぼれ球を拾ったMF金子拓郎が右サイドからクロスを上げると、DFとGKの間に陣取ったボザが頭で合わせてゴールイン。背番号3が両手を広げてサポーターのもとへ駆け出すと、同じタイミングで松本もガッツポーズをしながら味方を呼び、まるで自分が決めたと言わんばかりにゴールを喜んでいた。
一体何が起きたのか。リプレイが映ると、解説・福田正博氏は「どうですかね」と訝しんだ後、驚きの声を上げる。ボザのヘディングシュートの後に松本の身体に当たってボールがゴールに吸い込まれていたのだ。
福田氏が「松本に当たっているのならオフサイドかもしれません」と述べたように、VARがオフサイドの可能性を確認する。ボザのヘディング時、松本はオフサイドポジションに飛び出していたからだ。実況・西岡明彦氏も「直接、ボザのヘディングであれば問題ないかもしれませんが」と説明する中、山本雄大主審はオフサイドはなくゴールを認めた。
松本が誇らしそうに両手を上げて自身のゴールになったことを喜ぶと、またしてもリプレイが流れ、実況席も事象を確認。すると、福田氏が「いや、ダニーロ・ボザが触っていないということですか。触っていたようには見えましたけど」と驚愕。西岡氏も「(ボザが)触っていなければ、(金子の)キックの瞬間は松本はオンサイド」と補足した。
FC東京のゴール裏からの映像を見ると、ボザがヘディングするかどうかのタイミングでちょうどポストと重なっており、決定的な瞬間を確認することができない。西岡氏も「ボザが触っていないならオフサイドではないということですね」と口にすると、福田氏は「ただしボザは相当喜んでいましたけどね」とコメント。別角度からの映像でも、ハッキリとはしない。
山本主審のもとには両チームの選手が駆け寄り、FC東京の選手が猛抗議を続ける中、論点は松本のラストタッチがハンドなのかどうかに変更する。福田氏は「松本の手のところは問題ないですよね?」とコメント。松本の腕は身体についていたが、際どい位置にボールが当たっており、二度目のVARが発動。攻撃側のハンドの可能性を確認した。
「オフサイドではないということはボザのタッチはなかったということで、松本のラストタッチが胸なのかハンドなのか」(西岡氏)が注目される中、ゴールインから約8分後に判定が下される。浦和のゴールが認められた。松本は雄叫びを上げ、ボザはニヤリと笑った。
最終ジャッジに約7分を要した珍しいゴールシーンには、ファンがSNSで反応。「FC東京には気の毒だが、『疑わしきは罰せず』という。カメラの台数増あるいは性能向上しないと再発するかもね」「映像の解像度と角度によっても見え方違うからVAR泣かせ」「オフサイドはボールの軌道変わってなさそうだし大丈夫そうだけどハンドは手も体に着いてように見えるけど微妙か」「浦和神の手で同点ゴールwVARちゃんと仕事しろw」「これは映像見ててもボザが触ったのか分からないレベル」「8分VARに使うのカオスすぎ」「その前に軌道変わってるように見えたけどなあ」「100パーセントの黒だろ」「疑惑のゴールすぎるw」「ある意味ポストに救われたな浦和」「浦和の2点目の判断むずかしいな。決められた側やったらモヤモヤするやつ」など論争になった。
激戦となった試合は、90+3分に再び松本がセットプレーの混戦から押し込んで決勝ゴール。浦和が3-2でFC東京に逆転勝利を収めた。
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