【セリエA】アタランタ 2-3 パルマ(日本時間5月26日/ゲヴィス・スタジアム)
日本代表GKの鈴木彩艶が1年を通してパルマで守護神の座を守り続けた理由が詰まったシーンだった。中盤を経由せずに最前線のマテオ・ペジェグリーノに1本の縦パスを通すと、このプレーが起点となり、貴重な同点ゴールが決まった。
セリエA最終節で残留を目指すパルマは、3位フィニッシュが確定しているアタランタと対戦。他会場の結果次第では降格の可能性も生じてくるため、絶対に勝点3が欲しい試合だった。
この大一番で前半に2点を先制されてしまったパルマだが、49分に1点を返す。後半開始早々に反撃の狼煙を上げると、1ー2で迎えた71分にGK鈴木が起点となって同点ゴールが決まった。
自陣の最後尾でボールを持った鈴木は、周囲を見渡しながらルックアップ。相手FWマテオ・レテギの牽制を受けながらも、足裏でボールを触ってから右足のインサイドキック。相手が手薄だった中央のハーフウェーラインを超え、精度の高いグラウンダーの縦パスを通した。
これが最前線のFWペジェグリーノがアタランタDFシュテファン・ポッシュを背負いながら収めると、近くで前向きの状態だったFWアンジュ=ヨアン・ボニーにボールを落とした。そこからMFヤコブ・オンドレイカに絶妙なスルーパスを通ると、そのままボックス内に進入したスウェーデン人アタッカーが右足でフィニッシュ。パルマが同点に追いついた。
同点弾を生んだ鈴木の司令塔ばりの正確なパスは、ABEMAのコメント欄やSNSでも話題に。ファンからは「パルマあそこから2点取れるんかーい。そしてザイオンのパスはほんまスゴイ」「ザイオンのキックから始まりパルマ同点ゴール!」「精度エグすぎるだろ」「鋭すぎるレーザーパス」「70m級のロングフィードで狙撃できるのはもちろんのこと、相手引きつけてから中盤に縦パスつけるみたいな短〜中距離射撃の技術が、しかも精度いいのがデカすぎる」など、日本代表GKの攻撃面での貢献度に称賛の声が集まった。
これでさらに勢いづいたパルマは後半アディショナルタイムに勝ち越しゴールを決めて3ー2で勝利。昇格1年目という難しいシーズンで、自力でのセリエA残留を勝ち取った。
GK大国イタリアで1年間を通じてレギュラーの座を担い、攻守で好プレーを見せた鈴木は、これから日本代表に合流予定。6月5日にアウェーでオーストラリア代表、6月10日にホームでインドネシア代表と戦う。これまで森保ジャパンは鈴木のフィードをあまりビルドアップに組み込んでこなかったが、チームの新たな武器になりうるだけに是非とも試してもらいたい。
(ABEMA de DAZN/セリエA)






