序盤、リヴはヒールらしい攻めで試合を支配。髪を掴みマットに叩きつけニヤニヤするとエグい顔面キックを放つ。レフェリーを恫喝する「ギャァァァ〜」も飛び出すなど、“悪女”ぶり全開だ。とくに場外で見せたエプロンからのサンセットフリップ・パワーボムは、その衝撃と落差でカイリを完全にマットに沈め、カイリは大の字でしばし半失神状態。観客からは「危なっ」「うわ!」「あー!」「ひどい!」といった声が次々と上がった。
さらにリヴの攻勢が続くかに思われたが、ここで試合が大きく動く。連続スープレックス”スリーアミーゴス”を3発目で回避すると、怒りを溜め込んでいたカイリが、リヴの隙を突いてスピアを炸裂。その瞬間、「バカヤロー!」と叫びながら猛突進。
ABEMAのWWE解説・もりおも反撃の狼煙に「とんでもないスピアですね」と思わず唸ると、さらにカイリは低空のブロックバスターなど、体重差を補う攻撃で反撃。スライディングD、フライング・カブキ・エルボー、イカリと、欠場前はあまり見せなかった多彩な技を披露。元女子世界王者相手に、試合の流れを完全に引き寄せる。
この日のカイリは、リヴ渾身のセカンドロープからのコードブレイカーもキックアウト。”やられたらそこで試合終了”との呼び声高いオブリビオンもロープを巧みに使って回避。この勝利への執念が幸運を引き寄せることになる。
終盤、カイリがトップロープからインセイン・エルボーを狙ったタイミングで、リヴの仲間であるロクサーヌ・ペレスが介入。背後からカイリを突き落とすが、この余計なお世話にリヴの盟友、ラケル・ロドリゲスがリングサイドでロクサーヌに詰め寄り、激しい口論に発展。
混乱の隙を突いてリヴはフィニッシャー・オブリビオンを狙うも、再びカイリが驚異的な反応でかわし、リヴをそのままロールアップ。3カウントを奪い、久々のシングル戦勝利を掴んだ。タッグ戦線では輝かしいレコードを誇るカイリだがシングルプレイヤーとしては2020年以来、じつに5年ぶりの勝利。ファンからも元女子世界王者相手の勝利に「カイリ大金星だ!」「これは大きい」「結果出したな」「おめでとう」など祝福の声も多数寄せられた。(ABEMA/WWE『RAW』)
